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2022年9月 2日 (金)

宗教・カルト・政治・イデオロギーを考える!

 856回目のブログです

2022921

 “秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる”
             藤原敏行(平安時代前期・古今和歌集)

 秋が来たと、目にははっきりとは見えないけれど、爽やかな風の音で、秋の訪れに、はっと気付かされたことです…。

 猛暑、熱暑から、9月の声を聞くと、朝夕はいつの間にか涼やかな風の音を感じます。そんな時、安倍元首相が銃撃された事件の検証結果が警察庁から出され、その結果を踏まえて、警察庁長官、及び奈良県警本部長が辞職することになりました。

 全体的には警護に課題があったと集約。警備計画、現場の対応に数々の信じられない問題点のあったことが指摘されています。警察においては、このことを踏まえて、9月に行われる「安倍元首相の国葬」や、来年5月に開催される「主要国首脳会議」(G7サミット)に日本を訪れる各国の要人警護には“万全”を期し、名誉を挽回してもらいたいものです。

 さて、今、連日の如くマスメディアを賑わしている「世界平和統一家庭連合」(略称:統一教会、旧名称:世界基督教統一神霊協会)を考えるにあたっては、次の3点に分けて考える必要があります。

   ① 霊感商法と寄付、寄進、
   ② 政治と宗教
   ③ 宗教ビジネス

 ところがマスコミでは①の霊感商法と②の政治と宗教とをごちゃまぜ、③には一切触れずじまい。もう少し冷静に分析すべきであって、今の状態は知性皆無の「魔女狩り」状態と言わねばなりません。

 (門田隆将氏の論稿より)アベガーとマスコミが創り上げた虚構に国民はいつ気づくのか。消費者庁設置・消費者裁判手続特例法・消費者契約法改正によって霊感商法被害額をピーク時の50分の1に激減させた自民党政権。

     【統一教会】霊感商法の被害額

  昭和62年(1987) 2647件 163億9,826万円
  令和 3年(2021)   47件   3億3,153万円

  ※最近の2009年~2021年(13年間) 平均283件 12億8841万円/年

 宗教団体にお金などを差し出す時の言葉としては、寄付・浄財・寄進・喜捨・奉加・布施・奉納など色々ありますが、これを単純に問題視することは出来ません。しかしながら、霊感商法の壺・高麗人参の茶・ミニチュアの石塔・教本・印鑑などの法外な価格の販売は常識外と言えるのではないでしょうか。(それでも、信ずれば救われるとも言いますし、鰯の頭も信心からという言葉もあります…。)

 政治と宗教について考えて見ましょう。今、マスコミは統一教会をぼろくそに叩いていますが、統一教会はどれだけ政治に影響を与えているのでしょうか。与党の自民党と圧倒的に接触しているようですが、それが、例えば、消費者契約法改正によって、壺などの買戻しなどが可能になり、壺販売には政治的圧力は効果無しでしたから、大した影響を与えていないと思われます。

 一方、政治家は、選挙運動における無償の支援には感謝したでしょう。実際、選挙応援を経験してみれば分かりますが、選挙運動でのポスター貼り、証紙貼り、電話での投票依頼など猫の手も借りたいほどの忙しさ。そこへ統一教会の “お助けしましょうか” との声に何の調査も、考えもせず “よろしくお願いしますの” の返答。ここからスタートしてズブズブの関係に行く政治家も現れるのではないでしょうか。

 自民党は迂闊だったと思います。統一教会は『日本は「サタン」(悪魔)の国』『日本をアダム国家韓国の植民地にすること』『天皇を自分(文鮮明)にひれ伏させること』などと、反日教義を教えているわけですから、とんでもないこと、日本の政治家として問題視しなければならないことは言うまでもありません。自民党の政治家ならば、日本人としての “矜持” を失ったことに対して厳しく反省しなければならないのではないでしょうか。

 さて、テレビ、新聞、雑誌、SNSなどのメディアは統一教会だけを政治と宗教の関係で糾弾していますが、他にも問題にすべき宗教や政党があるのではないでしょうか。例えば…。

  ① 創価学会  …公明党
  ② 幸福の科学 …幸福実現党
  ③ 新日本宗教団体連合会 …反自公政権

 創価学会など、選挙の応援などは「選挙に当選=信仰の証」として熱心に運動しているのは国民の誰でも知っていること。にもかかわらず、マスコミは統一教会のみを取り上げ、創価学会などには全くの沈黙を保っているのです。そして、公明党の山口代表もずっとノーコメントのまま、どうなっているのでしょうか。わが国のマスコミが公平さを欠いているとするならば、ジャーナリズムとして大きな口をたたくことは控えていただきたいものです。

 次に、統一教会のビジネスについて考えて見ましょう。統一教会は1954年文鮮明氏が韓国で立ち上げた組織。1958年から日本での布教活動を始め、1959年にはアメリカでの活動が始まりました。

 日本の信者から巻き上げたカネを原資に、アメリカでは宗教団体であることを隠しながら巨大ビジネスを展開。寿司関連、ホテル、不動産、スキー、海洋リゾート、ゴルフ、建設、防衛、化学、自動車部品、新聞(ワシントン・タイムズ)などコングロマリットを形成。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、1976年から2010年のあいだに日本の旧統一教会は、アメリカに36億ドル(4700億円)以上を送金していると言います。何と4700億円!。それが今や、例えば、寿司ブームに便乗して鮮魚ビジネスを急拡大、同紙によるとアメリカとカナダを合わせて8300店舗の顧客に対して、すべてを供給する企業帝国になっていると報道。

 霊感商法と献金システムにより、文氏とその取り巻きは数百万ドル生み出す帝国を作りあげ、教義よりもカネを拝む姿勢が濃厚になってきていると報じられています。それも、洗脳によって日本から巻き上げた膨大なカネが原資とは。わが国は、近隣から騙されないようにもっともっと歴史に学ばなければなりません。

 統一教会が胡散臭い存在であることは、霊感商法、集団結婚式、献金システム、事業ビジネスなどを見れば一目瞭然ではないでしょうか。

 その基本は「カルト」(カリスマによる狂信的宗教団体)性にあります。改めてカルト宗教の定義を国際的指標で見てみましょう。

 【カルト宗教の定義】

  ① 精神の不安定化(洗脳、マインドコントロール)
  ② 法外な金銭的要求(多額の寄付金要求)
  ③ 住み慣れた生活環境からの断絶(監禁、出家など)
  ④ 肉体的保全の損傷(暴力:精神的暴力も含む)
  ⑤ 子供の囲い込み(子供の洗脳教育)
  ⑥ 反社会的な言説
  ⑦ 公秩序の攪乱
  ⑧ 裁判沙汰の多さ
  ⑨ 従来の経済回路からの逸脱
  ⑩ 公権力への浸透の試み。

 その内、最も厄介なのは「洗脳」であり、それは精神の破壊であり、それから立ち直るのは至難と言われています。わたしたちは、カルト宗教に侵されないように、警戒を充分怠らないようにしなければなりません。

 ところで、隣国中国(中共)ではどうなっているのでしょうか。共産主義国では宗教は阿片と言いますが、中国での最大の宗教は中国共産党イデオロギーと言わねばなりません。中国14億人が幼少から洗脳せれており、自由・個人主義への脱出はサタンとして地獄に陥るものと規定されています。そう考えれば、共産中国はカルト宗教国家と言えるのではないでしょうか。

 わたし達は、日本人として、もっとしっかりしようではありませんか。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

 

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コメント

「人はパンのみにて生くるものにあらず」とモーゼは語り、釈迦は王宮を捨て出家した。「歓楽極まりて哀情多し」と漢の武帝も嘆いた。生ある限り精神の渇仰の思いは消えない。心理学者や精神科医の研究がいかに進もうと、学者医師自身の渇仰が止むことはない。文学や宗教の価値はそこにある。そして人間の個性が異なるように求める文学も宗教もそれぞれ異なる。さらにヒトは己と同じ感性を持つ仲間、己の心の飢え・渇きを共有してくれる仲間を求める。そして生活を基盤にする疑似共同体か、宗教を基盤とする疑似共同体が生まれ、そして後から誕生した共同体は仲間(信者)を増やして存立基盤を固めようとする。内なる祭礼儀式(カルト)を刺激的にすればするほど結束は高まるが、ソトから見れば異様な集団に化す。キリスト教は既存のユダヤ教から排斥され、浄土宗は天台・真言の既存宗教から排斥された。過去も現代も宗教は必要であり、新興宗教は創価学会が勢力拡大時にやってきたようにこれからも慣習や法令に違背するようなことをやるだろう。既成宗教も新生宗教も、社会は法令に従って規制すべきであって、マスコミが現在行っていることは違法であるばかりか、人々の生きにくい社会を作ろうとしている。反日集団である統一教会については、それを日本人が支援し、日本の政権党も頼みとしてきた。そこに戦後のGHQ日本贖罪論と、ソ連・中共・北朝鮮礼賛のマスコミに翻弄されてきた日本人の哀しい姿が見える。だが問題は元首相が暗殺されたにもかかわらず、その真相を追及するメディアが無いことの異常性に日本国民が気づいていないことである。GHQによる洗脳は三世代後のメディア人にまで染みついているようだ。GHQのこの洗脳力こそ最強の宗教といえそうだが。

投稿: 齋藤 仁 | 2022年9月 2日 (金) 09時11分

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