« 中国から国内へ生産回帰…アイリスオーヤマに見る! | トップページ | 自民党の終わりの始まり!  »

2022年10月 7日 (金)

世界人口の71%が独裁国家だ!

 861回目のブログです

20221071

 “深き夜の 露に草葉は うづもれて 虫の音たかし 野辺の月かげ”
           頓阿法師(鎌倉南北朝・和歌四天王)

 深夜、一面に置いている露に、草葉は埋もれてしまって、野辺には月光が照りわたり、虫が高い音で鳴いている…。

 秋の夜の美しい世界。自然の中において静かに虫の音に耳を傾けている時、白い月光が照り渡っている情趣豊かな秋の夜を髣髴とさせてくれます。

 そんな時、人間の世界では生臭い争いは絶えることなく、その原因にひとつに国の形が独裁専制か、自由民主の違いによるものがあるように思えます。

 ロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮のミサイル威嚇、中国による台湾侵攻の恐れ…。強権専制国家による民主主義国家への圧迫が続きますが、ここで、国際社会を大きく民主主義独裁の構図で見た場合、世界の国々はどのような政治体制に分類されているかについて見てみましょう。(英オックスフォード大の国際統計サイト「Our World in Data」2021年データを参考)

 自由民主主義    34ヶ国
 選挙による民主主義 56ヶ国(計90ヶ国・23億人<29%>)

 選挙による独裁     63ヶ国
 閉鎖型独裁       46ヶ国(計109ヶ国・56億人<71%>)

 この数字を見れば、現在、民主主義を享受する割合は、世界人口の29%に過ぎず、独裁主義的な71%に上っていることに気づきます。

 エコノミスト・インテリジェンス・ユニットは、選挙過程と多元性・政府機能・政治参加・政治文化・人権擁護の要素から民主主義を指数化し、2021年の完全な民主主義国は下記の国々(上位から)としています。

  ① ノルウェー
  ② ニュージーランド
  ③ フィンランド
  ④ スウェーデン
  ⑤ アイスランド
  ⑥ デンマーク
  ⑦ アイルランド
  ⑧ 台湾
  ⑨ オーストラリア
  ⑨ スイス
  ⑪ オランダ
  ⑫ カナダ
  ⑬ ウルグアイ
  ⑭ ルクセンブルク
  ⑮ ドイツ
  ⑯ 韓国
  ⑰ 日本
  ⑱ イギリス
  ⑲ モーリシャス
  ⑳ オーストリア
  ⑳ コスタリカ

 上記のように、完全な民主主義国は21ヶ国しかありませんが、民主主義の先進国に「自国における民主主義の機能の仕方に不満がある」という回答が多いのです。おそらくは、その原因に自分たちが選んだ政治家に対する「懐疑心」があると思われます。

  民意をうまくすくい上げない。
  既得権益層の利益を優先する。
  有権者の多様な利害と価値観が反映されていない。

 とは言うものの、完成した民主主義体制なんて存在しません。民主主義の危機は民主主義によって克服されてきました。また、そうしなければならないのではないでしょうか。

 一方、独裁国家にも大きな問題点があります。国際関係アナリストの北野幸伯氏によれば、独裁国は、(1)正確な情報が入らない、(2)衆智が集まらない、(3)国内外で協力を得られない、という脆さを抱えていると喝破しています。

 例えば、2022年3月2日、国連総会緊急特別会合はロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議を賛成多数で採択しました。その投票結果は…。

 総 数 193ヶ国
 賛 成 141ヶ国(欧米・日本など)
 反 対   5ヶ国(ベラルーシ・北朝鮮・エリトリア・シリア・ロシア)
 棄 権  35ヶ国(中国・インド・イランなど)
 無意志  12ヶ国

 今回の投票結果を見れば、193ヶ国中わずかに4ヶ国しかロシアを支持しなかったことになり、誠に哀れな結果となりました。このように、へたをすると独裁国家は国際社会におけるチームワークも得られないのです。

 独裁国家には、言論の自由、信教の自由、結社の自由もありません。目を覚ましましょう。特にサヨクの人には、共産主義、社会主義、独裁、専制には強い憧れがあるように見えますが「自由のない社会」を本当に望んでいるのでしょうか。よくよく胸に手を当てて考えて見てほしいものです。

 我が国は、中国、ロシア、北朝鮮など、独裁主義国家群に囲まれています。強権国家、独裁国家、専制国家の脅威が深刻化するなかで、自由と民主主義の価値観をどのように守っていくのか、いかに広げていくのか、わたし達日本人も本腰で構えなければならない時が来ました。

 みなさんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセー
です。

 

|

« 中国から国内へ生産回帰…アイリスオーヤマに見る! | トップページ | 自民党の終わりの始まり!  »

コメント

自由と民主主義は表裏一体であり、国民個々の自由な選挙がない所に民主主義は存在しえず、政策の異なる複数政党のない所に自由な選挙はない。政体を含めた政策等の選択の自由と投票者の自由意思の表明が保障されていることが不可欠である。そのためには民主主義制度を維持するための基本法の確立と、それを国是とする国民の強い意思が必要である。さもないと民主主義国の選挙で政権を取ってから時限立法等によって与党が独裁権をもち、さらに時限立法を延長し続けて実質的な独裁体制を築くということもありうる。もちろん戦時体制などの緊急事態にあっては政府に迅速な決断・実行を託すことが必要であり、それと民主主義を共生させるためには、緊急事態法や通信傍受法、スパイ防止法などを整備して、民主主義国を土台から毀損させ腐食させる可能性のある敵対勢力(外国や反民主主義組織)を排除する仕組みを作らねばならない。特に電子無線技術の進んだ現代、アメリカの大統領選挙のように国の内外の勢力の暗躍によって選挙民を洗脳・誘導したり、投票数を操作したりといった可能性は非常に高い。世論調査も含め、メディアが公表するあらゆる数字が疑わしい、一種の情報操作の時代になっている。民間が発表する数字はメディアも含めて操作されていると見るべきだろうが、せめて民主主義国の政府発表の数字は客観性をもつものでなければならない。それも担保できないようであれば、形は民主主義国でも実態はどこかの独裁国家に牛耳られているということになる。いずれにしても民主主義体制を健全に維持するためには法整備も含めて相当に金銭も手間もかかると覚悟する必要がある。自由民主主義にはそれだけ手間をかけ、命をかける価値がある。

投稿: 齋藤 仁 | 2022年10月 7日 (金) 08時31分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 中国から国内へ生産回帰…アイリスオーヤマに見る! | トップページ | 自民党の終わりの始まり!  »