マイブログ注目ベスト3…令和4年を振り返る!
873回目のブログです
“雪降りて 年の暮れぬる 時にこそ つひにもみぢぬ 松も見えけれ”
詠み人知らず
雪がしきりに降り、年が暮れはてた時になって、初めてその風雪に耐えて最後まで紅葉しない松というものの良さがわかるのだ…。
論語にある「歳寒くして、然る後に松柏の凋む(しぼむ)に後るるを知る」を歌に詠みかえたものです。(気候が寒くなって初めて、他の草木がしおれてしまっているのに、松や檜は枯れずにのこっているのが分る。同じように、困難に際して初めて、学問修養に努めている者の価値が分かるのである…。)
年の暮れになって一気に冬の厳しい寒さを感ずるようになってきました。振り返れば、この一年、激動の年でもあり、内外ともに混迷を極めた年でもあったと言わざるを得ません。
国際情勢においては、果てしなきロシア対ウクライナ戦争、一触即発の台湾海峡、執拗な北朝鮮のミサイル挑発、中国のゼロコロナ政策失政による混乱、国内情勢においては、安倍元首相へのテロによる政局の混迷、不透明感を増す政治とカルト宗教、ふらつく岸田政権、成長への舵を切らない経済政策、など難問は積み増すばかり。
何はともあれ、明日が大晦日、令和4年(皇紀2682年、西暦2022年、寅年)が過ぎてゆきますので一年を振り返りたいと思います。恒例のごとく、小ブログから反響の大きかったものを3点選びました。
① ロシアの侵略を考える…ウクライナの苦い教訓!(3/18)
ウクライナが祖国防衛に失敗した理由のひとつである核兵器の放棄について見ていきました。
核兵器の放棄と引き換えに、ウクライナの独立や領土の保全、安全の保証を約束した「ブダペスト覚書」を、露・米・英・ウクライナ間の4か国で締結しましたが、その代わりに、ウクライナはどのような安全保障をえたのでしょうか。
① 露英米は、ウクライナの独立、主権、現在の国境を尊重する義務を確認する。
② 露英米は、ウクライナの領土統一と独立に対し、武力威嚇及び行使を控える義務を確認する。
③ 露英米はウクライナの主権内の権利を侵し、自国の利益に従わせることを目的とする経済圧力をかけることを控える義務を確認する。
④ 露英米は、ウクライナが侵略被害者となった場合、もしくは侵略の威嚇を受けた場合、 国連安全保障理事会に対し、至急、ウクライナを 支援する行動を起こすことを要求する義務を確認する。
⑤ 露英米は、自国及び同盟国が攻撃を受けた場合を除き、核不拡散条約に加盟している非核国に対し、核兵器を使用しない義務を確認する。
覚書はあくまでも覚書であり、条約ではなかったのです。それにしても、この覚書は「甘い文言」の羅列であり、すべて、義務を確認するという言葉で〆られています。したがって、今回のロシアの侵略に対する「国連ロシア非難決議」にしても非難はしましたよとのアリバイであり覚書には違反していないのです。
ロシア研究の第一人者である筑波大・中村逸郎教授は「嘘に嘘を重ねるのがロシア流。ロシアの流儀は、交渉のはじめに嘘をついておく、つまり、嘘から交渉をスタートさせるというものだ。」と喝破しています。要するに、ウクライナも英・米も騙されたということに他なりません。安倍元首相、森元首相、鈴木宗男議員もプーチンの嘘に踊らされたと言えるかも知れません。
② 今、再び、カルトに注目しよう!(7/29)
メディアでは、カルトと政治家の癒着を問題視しています。欧州では、「カルト」とはカリスマによる狂信的宗教団体、「セクト」とは社会的に警戒を要する団体と規定。創価学会や統一教会(旧世界基督教統一神霊協会)などか認定されています。したがって、マスメディアは、この問題は旧統一教会だけではないことを認識し、他の教団の問題点をも抉る必要があるのではないでしょうか。
そして、若い世代がカルトに引っかからないように、小ブログでは次のことを喚起しました。
【カルト宗教かどうかの診断方法】について
・脱会すると不幸になる、地獄に落ちると脅される
・寄付金を納めると幸せになれる、納入額が少ないと教団内で差別される
・子供の意思に関係なく、宗教に入会させる
・他の宗教を激しく批判、卑下、誹謗する
・教団が、特定の人物に対し監視・嫌がらせを行うよう会員に指示を出す
・会長、幹部の発言に暴力的な発言がある
・教団が、思想や政治的な選択を強制する
・教団を批判する市民団体、被害者の会、批判的ウェブページが多い
・政治的権力を重視している、国家に浸透する目的がある
洗脳・寄付・監禁・暴力・子供・反社・攪乱・裁判・経済・権力…、これは、まさしく現実にある現象、世の中には「カルト」宗教の蔓延がすごい状態になっていることを認識しなければなりません。
③ “中国に不穏な垂れ幕”…反習近平の動きか!(10/21)
10月13日、早朝、北京市内の高架橋に「独裁の国賊、習近平を罷免せよ」などと書かれた巨大な横断幕2枚が掲げられた『大事件』が発生しました。習近平主席を批判することは絶対的なタブーであり、中国では地下で政治的な大きなうねりが生じているのではないかと判断し、ブログに取り上げました。
【1枚目横断幕】
・不要核酸要喫飯 (PCR検査は要らない、飯が食いたい)
㊟ 核酸増幅検査=PCR 検査
・不要封控要自由 (封鎖管理は要らない、自由が欲しい)
・不要謊言要尊厳 (たわごとは要らない、尊厳が欲しい)
・不要文革要改革 (文革は要らない、改革が欲しい)
㊟ 文革=文化大革命
・不要領袖要選票 (領袖は要らない、投票用紙が欲しい)
・不做奴才做公民 (宦官は要らない、市民となりたい)
㊟ 奴才=清朝の宦官、転じてイエスマン
【2枚目横断幕】
・罷課 罷工 罷免独裁国賊習近平
(授業ボイコット、職場ボイコット、独裁国賊習近平罷免)
・起来 不願意做独裁者奴隷的人們
(立ち上がれ、独裁者の奴隷となりたくない人たちよ)
・反独裁反専制救中国 一人一票選主席
(反独裁、反専制で中国を救え、一人一票で主席を選ぼう)
全体として洒落た美文調の見事なキャッチコピーであり、作者はかなりの教養人だと思われ、わが国サヨク人種のセンスの無さを揶揄しました。
山口二郎氏(法政大学教授)
「安倍に言いたい。お前は人間じゃない! たたき斬ってやる!」
辻元清美女史(立憲民主党・参議院議員)
「憲法守れ! 戦争反対!」
中国の教養人のセンスとユーモアに軍配が上がります。そして、「横断幕事件」以後、ゼロコロナ政策に抗議の「白紙革命」が各地で激発、今、中国は大揺れに揺れています。暴動も起きているようでもあり、中国がどのようになるのか注視したいと思います。
令和4年を振り返り、注目された3点を取り上げました。みなさまには今年1年お付き合いいただき有難うございました。
それでは、佳いお年をお迎えください。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
二十万年前ころに現生人類・ホモサピエンスが登場したとされるが、彼ら、すなわち我々の先祖の特徴を端的にいえば旧人類と比べてはるかに知性が高かった、すなわち合理的思考に優れていたことだった。地球上の大小の動物の中で生き抜くための合理的思考力が一際優れていたのがホモサピエンスだった。家族や種族を増やし守るのも己の命、己の子種を守ることが終の目的であり、その目的を完遂するために感情を排して合理的思考をめぐらす。突き詰めると己を守るためには身近の人も犠牲にする。歴史上には妻子さえも時として犠牲にして生き延びようとした独裁者が数多いる。個としてのこの思考法を民族として捉えれば、プーチンはロシア民族の、習近平は漢民族の、それぞれ未来永劫の生存圏確保のために彼らとしてできる限りの合理的思考力を働かせた結果が今日現出しているロシア、中国の姿だろう。生存のための合理的思考をつきつめると、友好、希望、平和、悲哀などといったホモサピエンスが有するもう一つの資質(情感)は眼中から消えて、残る感情は憎悪・敵愾心だけになる。プーチンや習近平と同じような狭隘な思考に囚われた指導者をもった国は、理性と情感をバランスよく保持した国民も少数派になり、多くの国民が指導者と同じようよ思考回路に閉じ込められる。北朝鮮も韓国も同類の国民が多数派を占めていることはそこから類推できる。そして地政学論的にいえば、ユーラシア大陸のランドパワー世界にいる指導者の多くはそうした思考法に陥りやすく、周囲を海で囲まれているシーパワー世界の指導者はもっと柔軟な思考力を持っている。そしてアメリカについていえば、新大陸の支配者だが東西を大洋に囲まれたシーパワー思考の国である。アメリカの大統領がジンギス汗やヒトラー、スターリン、毛沢東、そしてプーチンや習近平と大きく異なる点はそこにある。日本の政治家や創価学会という宗教団体の長は、大陸国家の指導者の思考が自分たちと全く異なること、話し合いの土俵が全く異なっていることを理解できていない。
投稿: 齋藤 仁 | 2022年12月30日 (金) 09時50分