「恐るべき増税ラッシュ」!
877目のブログです
“後れなば 梅も桜に 劣るらん 魁てこそ 色も香もあれ”
河上弥市(幕末の志士)
魁(さきがけ)てこそ! 梅は春に先駆けて桜よりも早く咲くから、色や香りが人々に愛されるのだ。桜より遅れて咲いたなら、華やかな桜に見劣りしてしまう。人の行動も先駆けてこそだ…。
梅は早く咲くからこそ色香が素晴らしいと感じるのでしょう、確かに、桜の後では何と言っても桜の美しさにかすんでしまいます。同じように、人の行いも先陣を切るからこそ、価値があるのであり、誰もが手掛けていないことに、勇気をもって恐れず進んでいくことが大事なのではないでしょうか。
さて、時事通信の1月13~16日に実施した世論調査で、岸田内閣の支持率は前月比2.7ポイント減の26.5%でした。【青木の法則】を適用しますと、
岸田内閣支持率(26.5%)+自民党支持率(24.6%)=51.1ポイント
内閣支持率(%)と与党第一党の政党支持率(%)の和が50ポイントを下回ると、政権が倒れると言います。時事の世論調査の信頼性には定評があり、岸田政権も本気で危険水域からの脱出に舵を切らなければならないのではないでしょうか。
ところが、岸田政権の政策は、“ 恐るべき増税ラッシュ ” となっており、“ 超重税国家 ”への歩みを進めているのではないかとの指摘を受けています。
【恐るべき増税ラッシュ】を概観しましょう。
・年金の給付期間の5年の延長
(60歳までを65歳まで引き上げ、平均100万円の負担増)
・消費税のインボイス制度導入
(零細業者の増税額、1事業者15.4万円)
・労働者の雇用保険約7割増える
・第三のビールの酒税35%引き上げ
・「森林環境税」が2024年度に創設され住民税が増える
・防衛費の増額に対応
(法人税8,000、復興特別所得税2,000、たばこ税2,000億円)
・「消費税の15%への引き上げ」検討
・「相続税」「贈与税」「退職金課税」の増税検討
・「自動車走行距離課税」の導入の検討
岸田首相は、自民党総裁選に立候補した時、新しい資本主義を旗頭に、宏池会創設者の池田勇人総理と同じ「所得倍増」計画を国民に約束しましたが、就任後一年経過すると、ご覧のように「大増税策」へと豹変したのです。騙される国民もバカかもしれませんが、それにしても酷い仕打ちに思えてなりません。
考えても見れば、上掲の増税ラッシュには経済成長を促すものもありますが、大方は経済を低迷させるものと言わねばなりません。
その代表格が消費増税です。「失われた30年」「暗黒の30年」……これは、タイミングの悪い時の消費税増税がその要因の大きな一つに上げられるのではないでしょうか。消費増税を振り返ってみましょう。
【GDP成長率】(▲はマイナス)
① 1989年に消費税を導入。
バブルの真っ最中であり、タイミングは悪くはないはずです。
1989年 (消費税3%)
1990年:4.89%
1991年:3.42% …バブル崩壊
1992年:0.85%
1993年:▲0.52% …底
1994年:0.88%
1995年:2.63%
1996年:3.13%
② 93年を底に成長が加速しつつあるところに消費税5%にアップ
橋本総理が自分の愚かな決断を大いに悔やんだと言われています。
1997年:0.98% (消費税:3%→5%)
1998年:▲1.27%
1999年:▲0.33%
③ 安倍総理の時代。2014年、税率を8%にアップ
日本政府はまたもや復活に向かって歩き始めた日本経済の足を
増税という形で引っ張ったのです。
2014年:0.30% (消費税:5%→8%)
2015年:1.56%
2016年:0.75%
2017年:1.68%
2018年:0.64%
④ 2019年、消費税率を8%から10%に引き上げ。
コロナの影響もありますが消費税利率のアップも大きな要因です。
2019年:▲0.36% (消費税:8%→10%)
2020年:▲4.62%
増税論者は、しばしば、わが国は諸外国に比べて国民負担率が低いことを理由に挙げていますが、先進諸国のデータを見てみましょう。
【潜在的国民負担率】=(国民負担率+財政赤字対国民所得比)
フランス 71.5(対国民所得比:%)
日本 56.9
スウェーデン 51.3
ドイツ 54.9
英国 49.7
米国 40.7
(財務省:日本は2022年度、他の国は2019年度)
わが国は、潜在的国民負担率はかなりの線を言っているのではないでしょうか。軽々しく増税の言葉を口の端にのせるべきではないと思いますが、岸田首相においては、財務省の手のひらの上、その増税愛は止みそうもありません。
大変なことになりそうです。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
経済規模そのものを停滞させ、さらには収縮させる可能性の高い政策を強引に推し進める岸田政権とその背後の財務省は何を狙っているのか。バブル崩壊後の30余年、世界の先進国で唯一経済停滞を続けてきた日本、それを今度は低落させようという財務省にのる与党の政治家たちと岸田首相。彼らに日本国の政治を任せておいていいのか。それだけの器量が彼らにあるのか。一千人近くいる国会議員の中で、一億二千万人の人口をもち、5兆ドルのGDPをもつ大国の国土・財産を守り未来を拓く慧眼と勇気をもった議員はいないのか。いないなら選挙制度を改めて隠れた人材が政界に進出できる仕組みを作るのか、鈍才議員団のせめてもの国家への貢献だろう。どんな椅子に座しても大人は己を失わないが、小人は椅子の大きさに溺れて己の器量の小なるを忘れる。田中角栄に新潟の母君が語ったという言葉を岸田首相に送りたい、「広島に一人で帰ってこい」
投稿: 齋藤 仁 | 2023年1月27日 (金) 08時45分