「SDGs」…日本だけに大流行!
878目のブログです
“ 世の中は 夢か現か 現とも 夢とも知らず ありてなければ ”
詠み人知らず(古今和歌集)
この世の中は、いったい夢であろうか、それとも現実であろうか。世の中は現実であるか、夢であるか私には分らない。どうせあれどもなきが如くなのだから…。
過去の苦しい思いは悪夢というように、もう現在は実在しません。存在してはいましたが、今は夢ということもできるのです。諸行無常、夢と現は、あいまいな日本の原点と言えるかもかも知れません。
そのような観点から日本の “SDGs” について考えて見たいと思います。
冒頭に掲げた写真をご存じでしょうか。これは今流行の「SDGsピンバッジ」です。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月の国連サミットにおいて、加盟193か国の全会一致で採択されたもので、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。目標達成まであと7年、夢と幻で終わるような気がしてなりません。
SDGs は、17のゴールと169のターゲットから構成され、地球上の「誰ひとり取り残さないこと」を誓っています。日本の外務省によれば、SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいるとしています。
それでは、【17のゴール】について見ていきましょう。
1 貧困をなくそう
2 飢餓をゼロに
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
5 ジェンダー平等を実現しよう
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8 働きがいも経済成長も
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
10 人や国の不平等をなくそう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任 つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
15 陸の豊かさも守ろう
16 平和と公正をすべての人に
17 パートナーシップで目標を達成しよう
17のゴールと各ゴールに平均10項目のターゲットが、声高らかに掲げられています。例えば、①の貧困をなくそう には、・2030年までに1日1.25ドル生活者をなくす、・2030年までに貧困状態にある全て男性、女性、子供の割合を半減、・2030年までに貧困層に対し十分な保護を達成、・2030年までに、貧困層は、基礎的サービスへのアクセス、土地及び財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、金融サービス、経済的資源について平等な権利を持つ、・気候変動に関する脆弱性を軽減、・開発途上国に対して開発協力の強化などを通じて、相当量の資源の動員を確保する、・国際レベルで、適正な政策的枠組みを構築する、とあります。
これを見ると、SDGsを達成しようとすれば、17項目のゴールの複雑な多元連立方程式を上手く組み合わせるとともに、169のターゲットをも取り組む「超多元連立方程式」を解かねばなりません。それは、全能の神でさえもこの課題を解くことは困難ではないでしょうか。
それを、国連が採択したということから推測すれば、一つにはプーチン大統領や習近平総書記の独裁的権力に憧れを持っているか、SDGsにまつわる金儲けの匂いにありつこうとしているか、の胡散臭い「偽善」の臭気が芬々としている国連人たちの考えと言わざるを得ません。少なくとも、地球の平和、人類の真の平和への道筋ではないと言えるのではないでしょうか。
ロンドン在住の元国連職員・谷本真由美女史がSDGsについて『世界のニュースを日本人は何も知らない』(ワニブックス・PLUS新書)で触れていますので一部引用します。
“ SDGsが通用するのは日本だけだった!”
“ みなさんが大好きな(?)「紙ストロー」もSDGsの一環です。あれを採用すると「わが社はSDGsをやっています!」というアピールポイントになり、年次報告書にも得意満面で記載することができます。でもドリンクの入れ物はプラスチック製で、巨体の部長がどっかりと座っている社員食堂やオフィスの椅子もプラスチックなんです ”
“ 日本で大人気のSDGsですが、国連のような偉い機関が提唱しているので、日本人は全世界の国々が地球環境に関して教育をしていると思われるかもしれません。”
“ ところが、他の先進国ではSDGsはまったく知られていないのです。試しに「SDGs」をキーワードに「Google」で検索してみてください。出てくるのは、国連関係組織のWebサイトやマイナーな非営利団体、大半は日本のWebサイトです。ニュースセクションに飛んでも海外大手メディアではまったく出てきません。”
“ようするに、国連と日本以外ではまったくと言っていいほどSDGsは検索されていないキーワードなんです。”
“ 決定的なのは日本のサラリーマンや役人が胸につけている大きな謎の「SDGsバッジ」(冒頭に掲示した写真)です。あれを付けている人が多いのでヨーロッパの人々はこう言います。
「日本は何かカルトに入っている人が多いの?」
「それとも、あのカラフルな丸いバッジは国による強制なの?」
「いや、神道の決まりじゃない?」
「アニメのキャラがつけているから流行ってんの?」
日本人だけが胸に付けているので何か日本の特殊な習慣か祈祷なんじゃないかと思われても仕方ないでしょう。”
目から鱗が落ちました。谷本女史によれば、日本人はなぜか「国連が大好き」だそうです。国連は “多国籍な町内会” であり、残念なことに、わが国は毎年 “みかじめ料” を物言わず素直に払っているお得意先さんという立場でしょうか。
そして、わが国は、上掲の和歌に詠われるように、生来、夢と現、幻と現実、の曖昧なところが原点と言えるかも知れず、そうであるとすれば、国連との相性の良さもわかろうというもの。
しかしながら、国際情勢は、諸行無常(しょぎょうむじょう)や夢現(ゆめうつつ)を許してくれるはずもなく、現実を厳しく直視しなければならないのではないでしょうか。
危ういかな日本!
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセー
です。
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コメント
「世界平和宣言都市」「非核都市宣言」「男女平等社会宣言都市」等々、日本列島のどこの自治体もこうした類の宣言文のモニュメントを建てたり、市役所に幟を掲げている。首長や議員はこれで給与に見合う仕事をした気になっている。共産党市長なら「憲法九条が守る世界平和」宣言を市役所に掲げて悦にいるところだろう。だが、これらの言葉を掲げておけば、世界が平和になるのか、日本に核ミサイルは飛んでこないのか。文芸評論家の福田康存氏はこうした画一的な、個々人の思考力の見えない戦後の日本人の単細胞に呆れていた。田舎道の交差点で自動車も通行人も見えないのに信号が青になるまで待ち続ける日本人。武漢コロナから丸三年が過ぎた現在、欧米も日本も感染による重症化の危険度が軽減し欧米ではマスクをする人はいなくなったのに、日本ではマスクを未だに外せない。天皇陛下御夫妻がイギリスの公的な場でマスクを外して対応され、日本に帰国した途端マスクをされる。この「同質同調社会」ともいえる日本は時にプラスに働くこともあるが、社会の活力を奪うことの方がはるかに多い。特にこの「同調性」を最大限に悪用してきたのが朝日新聞などの左翼メディアである。安倍元首相の国葬反対の空気づくりはその一つであり、国葬賛成者がメディア上で発言するのを許さない空気を作った。また現在問題となっているコラボ問題も困っている若者や女性に支援を、という運動に反対できる国や自治体はない。しかし、その運動に賛成することと、国や自治体がそれに関わる団体に国民の税金を何千万円と注ぎ込むことに賛成するのは違う。働かなくても誰かが衣食住を用意してくれる、それは支援でなく愚民化政策である。働いて税金を納めるそんな当たり前の成人を育てることが税金を使った支援の在り方である。別の問題だが赤い羽根募金という行政や自治会などに密着した巨大組織も百円か十円の募金程度なら、の国民の善意を悪用して、幼稚園から小中学校、そして企業、市役所等にウィルスのように住みついて膨大なカネを集めながら、寄付者の意思を無視するように、日本政府に反対するような団体に寄付している。端的にいえば日本国民の善意が政治家や官僚、そして左翼や反日のメディアや団体に悪用されているということだ。SDGsもこれからどんな方向に行くのか悲観視している。騙す方が悪いのか、騙される方が悪いのか。日本国民は人が良すぎる。
投稿: 齋藤 仁 | 2023年2月 3日 (金) 09時56分