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2023年7月14日 (金)

政治の地殻変動…日本維新の動きに見る!

 884回目のブログです。

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  “緑濃き 日かげの山の はるばると おのれまがわず 渡る白鷺”
             徽安門院(南北朝時代・歌人)

 緑濃い、日の光がさす山ははるばる見渡され、そこに、姿のまぎれることなくはっきりと飛んで行く白鷺。清々しいことだ…。

 飛んでいく白鷺の群れの清々しさは、まさに一幅の絵と言うべきものですが、わたし達の住む下界においては、ましてや政治の世界においては、どろどろとした姿を見せています。

 それも、時代の変転の渦に巻き込まれた姿を見るとあっと驚かされます。その事態を、わたしの住む大阪の政治情勢に目を向けて見ましょう。それは、「維新」の台頭であり、今や全国的な拡がりを見せようとしている「地殻変動」と言わねばなりません。なぜこのようになってきたのかについて分析してみたいと思います。

 先の統一地方選挙で明確に現れたのが、「維新」(日本維新の会/大阪維新の会)の大きな台頭と言わねばなりません。選挙前の400人の首長/地方議員から、事前予想の600人を遥かに超え、何と774人が当選しました。

 近畿一帯を見ますと、大阪では知事、市長、府議会過半数、市議会も過半数、という圧倒的な勝利。そして奈良県では知事を初めて奪取、自民党王国と言われた和歌山県の衆議院補選では自民党候補を撃破。まさに、破竹の勢いと言わねばなりません。

 近畿から遠く離れた北海道でも道議を5議席獲得、また、東京都区内の地方議員は前回選挙の22人から73人へと大幅にその勢力を拡大したのです。

 これを見れば、維新はもはや「大阪および近畿のローカル勢力」という既存のイメージでは説明がつかず、メディアは今頃になって「野党第一党」の座をつかむ可能性が出てきたと騒ぎ始めています。

 維新は、なぜここまで強くなったのでしょうか。

① 『維新は、岸田自民が完璧に失った「ヤンキー気質」を売りにしているから』(京大藤井教授の論稿より)

        ヤンキーとお利口さんの特徴
    (ヤンキー)           (お利口さん)
 自分の意志や思いを重視    目上や他者の「顔色を窺う」事を重視
 仲間の掟/自分のポリシーを大切に 命令やコンプライアンスに基づいて行動
 仲間・友達を大切にする    仲間・友達はなく、知り合いしかいない
 ブレない           ひたすら日和見でブレにブレる
 気合い、気概を重視      ひたすら臆病
 周りを巻き込む勢いあり    勢いは無く、ただ巻き込まれるだけ
 波風立てることを厭わない   波風たたせることをひたすら避ける
 活力・元気あり        活力・元気なし

 日本人の多くは「お利口さん」ですが、誰に人気があるかというと、もちろん「ヤンキー」です。政治に求められているのも実は「ヤンキー」の素養。なんと言っても、政治家は、間違っている事を間違っていると指摘し、気合いをいれて、正しい方向に変えていかねばならず、「お利口さん」では務まらないのであって、どこかに必ず「ヤンキー」な素養が必須なのです。

 ところが、自民党には官僚的なお利口さん議員ばかりが増えてきました。見てごらんなさい、例えば、衆議院の自民党に限れば、驚くなかれ40%が「政界ネポベイビー」(世襲議員)ですから。これに対して、国民は既存の政治にいらだちを覚えたということです。

 人間の精神には知と情と意があり、「知」は学者が、「情」は芸術家が、そして、「意」は軍人が担い、それらを統合するのが政治家であり、戦後日本では軍が無く、その結果、軍が担うべき意・気概があらかたなくなっており、だからこそ政治家に「意」が特に強く求められています。

 ところが、今の政界の中には、「意」が一切感じられず、その代表格がお利口さんの岸田文雄氏であり、それに絶望した多くの国民が(とりわけヤンキー的気質を好む大阪において)「維新」に投票したと考えられます。

② 反省なき自民党の落日

 「大阪ダブル選」には、府知事選に立候補鵜した谷口真由美氏、市長選に出馬した北野妙子氏が街頭演説に揃い踏み。その応援弁士に共産党支持者らしき人物が登壇、これでは自民党支持者はどっちらけ。ましてや谷口真由美氏はサヨクの論客であり、何が何やら、筋の通らぬ支持体制であり、一般の自民党支持者は遠のくばかり、そして草木もなびく維新へとなった次第です。

 4年前の統一選でも同じ光景が目に浮かびました。自民党の柳本顕氏が一応無所属で立候補し、維新の松井一郎氏と対決したのです。選挙カーには非維新の幟がはためき、それには共産の支持がはっきりとしていました。4年前と同じ雰囲気で選挙戦を勝ち抜けるとでも思ったのでしょうか。

 一体、自民党の思想、信条、そして志操はどこに脱ぎ去ったのか、不倶戴天の敵とでも言うべき共産党の街宣車に嬉々として乗るとは、もはや呆れてモノも言えません。思想、信条、志操なき政治は真の政治ではありません。大阪の自民党は、滅ぶべくして滅びようとしています。

③ 自民党員の “公明(創価学会)アレルギー”

 来る総選挙において、維新は全選挙区に候補を立て、公明党(創価学会)ともガチンコで勝負すると言明しました。創価学会の牙城とされる関西を舞台に、大阪3、5、6、16区と兵庫2、8区で全面対決が演じられることになります。

 公明党は議席を守るべく必死に戦うでしょうが、自民党が弱体化したために自民党員の票がどこに行くのか気になります。大阪に居て耳に入ることは、『大阪の自民党員に話を聞くと“憲法改正するなら公明より、維新と一緒になったほうがエエやん”といった声が圧倒的に多い。そもそもこの間、維新へと鞍替えする自民党員がゴロゴロと出ている有様で、大阪の保守層にとって公明党は“自民の政策を中和する”だけの目の上のタンコブのような存在に映っている』ということなんです。

 今や “自民党支持者”と言うのが憚られるような雰囲気が大阪に生まれており、自公連携が幻影となりつつあることはまぎれもありません。

 現在の維新は、“市民感覚”をまるで省みない「政治的エリート(自民党)」と、それを冷笑する「知的文化的エリート(立憲民主党・共産党)」に対して不満を持つ名もなき人びとの “受け皿”とみなされていることを認識しなければなりません。

 最後に、ほんの近い将来 “吉村総理”のカードが切られる時代が来るかも知れません。

 政治の「地殻変動」が起こりそうな感じがする今日この頃です…。

 みなさんはどのようにお感じでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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コメント

自民党は戦後の結党時から、対米追従の戦後体制を前提にその組織内で国家も己自身も物質的繁栄を追及する吉田・池田等につながる宏池会型の議員団と、欧米の自由主義に属するが日本の伝統を重視し、明治日本のような独立国家の気概を復活させねばという岸・佐藤から安倍派に至る真正保守の議員団が存在している。日本維新の会には創立者の橋下氏を始めとして政治思想やキャラクターに胡散臭さを感じさせる人が少なからずいるが、維新の会を支持している人たちは、宏池会政権や公明党のように「政権を奪取して公金を自分たちで配分したい」といった思いよりも、戦後体制の既視感の強い「腐臭が漂っているようにさえ見える現在の宏池会・公明党の政権」を変えたいという思いが強く見える。世間は「世襲議員」に飽きているのでなく、平成以降の政治も経済も淀み停滞し続けてきたこの日本を変えてほしい、GNPが第二位であろうと第三位、第四位であろうと、そんなことより、チャイナにもアメリカにも右顧左眄、阿諛追従しない、令和の時代の本物の「日本国の顔」をもった政党・政治家を求めている。安倍元首相が日本の若者から支持されていた理由はそこにある。自民党を再生する方法はただ一つ、公明党と手を斬ることである。それによって自民党議員は有権者が自分に何を求めているのかを真剣に探りながら自民党員としての国家観・人間観を構築していくだろう。

投稿: 齋藤 仁 | 2023年7月14日 (金) 08時09分

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