TBSよ、テロを賛美するなかれ!
891回目のブログです。
『春望』 杜甫
国 破 山 河 在(国破れて山河在り)
城 春 草 木 深(城春にして草木深し)
感 時 花 濺 涙(時に感じては花にも涙をそそぎ)
恨 別 鳥 驚 心(別れを恨んでは鳥にも心を驚かす)
烽 火 連 三 月(烽火三月に連なり)
家 書 抵 万 金(家書万金にあたる)
白 頭 掻 更 短(白頭掻けば更に短く)
渾 欲 不 勝 簪(すべて簪<しん>に勝へざらんと欲す)
戦争によって首都が破壊されても、山や川は昔のままかわらずにあり、荒廃した城内にも春がきて、草や木が深々と生い茂っている。この戦乱の時代を思うと、花をみても涙が落ち、家族との別れを悲しんでは、鳥の鳴き声を聞いても心が痛む。戦火は何か月も続いており、家族からの手紙は万金と同じぐらい貴重だ。白髪頭を掻くと髪はますます短くなり、冠をとめるためのかんざしも挿せなさそうである。
杜甫は、盛唐の詩人であり「詩聖」と呼ばれています。『春望』は杜甫の代表作であるのみならず、わが国で最もよく知られた漢詩のひとつでもあり、調べも良いため吟詠にも取り上げられ、わたしも時には口ずさんだりします。
“国破れて山河あり”…、それにしても地球上では戦争が絶えません。ロシア対ウクライナの戦争が長期化しているなか、今度は、パレスチナ(ハマス)対イスラエル戦争が本格化、この流れでいけば、加えて近い将来、中国(中共)対台湾、さらには、北朝鮮対韓国、…まさに、世界中が戦乱の巷という地獄図も考えられそうです。
パレスチナ自治区ガザを実行支配する「イスラム原理主義組織・ハマス」が10月7日、電撃的にイスラエルを攻撃、市民ら多数が死亡。イスラエル軍も猛反撃、ガザが全面戦争の情勢になることは必至と言われています。
ハマスの攻撃は完全にイスラエルの意表を突き、ロケット弾攻撃に加え、陸、海、空からの大作戦を展開。ハマスは、まず無人偵察機を送り込み監視塔の機能を停止させ、ブルドーザーでイスラエルとガザとの境界にあるレーダー付フェンスを破壊し、戦闘員をイスラエル側に送り込みました。また、地中海からボートで、空からパラグライダーで攻撃に参加した戦闘員もいたのです。
発射されたロケット弾は3000発以上、音楽祭イベント会場にも着弾、民間人の赤子から老若男女まで無差別に殺戮260人、阿鼻叫喚、情け容赦なし、住民を人間の盾として人質に、また、ガザ地区に200人以上も拉致したとのことです。悪辣非道なテロ集団と言っても言い過ぎではありません。
ところで、イスラエルは中東一の軍事大国であり、モサドなど優れた情報組織があるにもかかわらず、なぜ攻撃を探知できなかったのでしょうか。The New York Timesは以下のように報じています。
・パレスチナの攻撃者が使用する主要な通信チャネルを監視する『情報将校の怠慢』。
・『国境監視装置に過度に依存』し、攻撃者が簡単にシャットダウンできたため、攻撃者が軍事基地を襲撃し、兵士を寝床で殺害することができた。
・侵攻の初期段階で制圧された単一の国境基地に司令官を集中させ、他の軍隊との連絡を妨げたこと。
・そして、パレスチナ人がイスラエルに監視されていることを知りながら民間チャネルで行った、ガザ地区の軍事指導者たちによる「戦闘の準備はしていない」という主張を額面通りに受け入れる姿勢。
要するに、どんなに組織が強固であり、システムが完璧であったとしても、精神的な怠慢や心に油断があれば、テロによって、それらは容易に破壊されてしまうことを示しています。安全保障には常日頃の心構えも大事だということではないでしょうか。
今や、「第3次世界大戦勃発」前夜。ウクライナ対ロシア、ハマス(バックはイラン)対イスラエル、そして、中国(中共)対台湾、どうなるのか真剣に考える必要がありそうです。
さて、10月11日に放送された、BS-TBSの『報道1930』の番組内容が大きな波紋を呼んでいます。
放送では、イスラエル軍と、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織「ハマス」との戦闘状態が取り上げられましたが、問題は、コメンテーターとして起用された人物が『重信メイ氏』だったことです。
勘の良い方はお判りでしょう。そう、重信メイ氏の母親は、国際テロ組織である日本赤軍を率いた重信房子・元最高幹部。メイ氏はその娘。房子氏が率いた日本赤軍は、パレスチナ人グループとともに、イスラエルのテルアビブ国際空港で無差別テロ事件を起こしており、房子氏はハーグ事件で懲役20年の服役、2022年出所。メイ氏の父もパレスチナ人活動家。
重信メイ氏は「母親無罪」「母親が誇り」と語り、他の元赤軍メンバーと母親・房子氏のドキュメンタリー映画に出演しており、イスラエルで多数の民間人を殺害したテロ組織の最高幹部の思想を継承している人物であることははっきりしています。
ハマスのイスラエルに大規模な攻撃を仕掛けた問題で、イスラエルのコーヘン駐日大使が10月13日、日本外国特派員協会で記者会見し、10月11日にBS-TBSで放送された「報道1930」で、ジャーナリストの重信メイ氏が出演した点に関して苦言を呈しました。
・「重信メイ氏の番組出演は市民を暗殺しても構わないという
メッセージを送ることになる」
・「殺人者やテロリストの一族に発言の場を与えるべきではない」
駐日大使のこの言葉は、苦言というより、激怒に満ちた発言というべきではないでしょうか。テロを肯定する重信メイ氏をコメンテーターとして出演させることは言語道断と言わなければなりません。
思い返してみれば、TBSは過去においてテロに加担するという大失態、というよりも確信犯的行為を行った経緯を有しています。
テロリスト側に加担してしまったTBSの不祥事として思い出されるのは、1980年10月の「TBSビデオ事件」です。本来、ジャーナリズムとしては「取材源秘匿」という原則を守らなければならないのですが、あろうことか、その原則を破り、オウム真理教批判の急先鋒だった坂本堤弁護士らのインタビュー映像を教団側に見せたのです。このことが、同年11月の「坂本弁護士一家殺害事件」という悲劇につながりました。
TBSは、『坂本弁護士一家殺害事件』のことを、忘れてしまったのか。そうであるとすれば、狂った社風、偏向したイデオロギーに満ちた社風が現在も続いているということになるのではないでしょうか。
どう考えても、TBSは間違っていると思います。
TBSよ、正道に戻れ!
皆さんはどのように考えられますか。
次回は
時事エッセ-
です。
| 固定リンク
コメント
政治的に中立であるべき公共電波を許可されているテレビ局が、テロ実行犯の娘を出演させて…という時点で、テレビ局に対して政府は何らかの処分を行うべきである。でなければ日本政府は重信房子らが行った凶悪なテロ犯罪を支持していると見なされても仕方ない。
投稿: 齋藤 仁 | 2023年10月20日 (金) 07時52分