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2024年1月12日 (金)

創価学会・公明党の未来を考える!

 897回目のブログです。

20241121

 “わが卓に めでたく白き 寒牡丹 ひとつ開きて 初春はきぬ”
               与謝野晶子(明治~昭和)

 新しき年を迎えました。本年も小ブログを細々と続けてまいりますので、何分にもご支援たまわりますようお願い申し上げます。

 本来ならば、明るい年賀の言葉を述べるべきではありますが、ご承知のように、能登半島の大地震、羽田空港で飛行機衝突事故など、年を明けてこれからというときに“大災害”が勃発しましたので、残念ながら、そのような心境に至っておりません。

 わが国では、古来、政治が不安定であり大きく乱れる時に、天の怒り、あるいは、地の響きが現出すると言われていますので、岸田内閣、自公政権は、不遜な言動を避け心からの謙虚な姿勢を保ち、日本国民の為の政治を貫くことが求められているのではないでしょうか。

 今は厳しい寒さの折、わが国のリーダーには、上掲の与謝野晶子の和歌にあるような “白い寒牡丹” のひとつでも咲かせてほしいと思います。

 さて、一昨年来、政治と宗教との関係でさまざまな問題点が提起され、10月13日、政府は、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に対して「解散命令請求」を出しましたが、政治と宗教との関連について忘れてならないのは「創価学会」/「公明党」と「自民党」の関係です。

 わが国の主力メディアは、ともすれば創価学会/公明党については、腫れ物に触れるようにしてきておりますので、ここで率直に取り上げてみたいと思います。

 昨年11月15日、池田大作創価学会名誉会長が亡くなりました。享年95歳。池田氏は1960年に第3代会長に就任し、1979年に名誉会長となり、以後実質的には院政を敷きました。毀誉褒貶の激しいカリスマとしての生涯であっただけに、池田大作という巨星を失った創価学会の虚脱感はいかばかりかと想像できそうです。

 (岸田氏の哀悼の言葉)『池田大作氏の御逝去の報に接し、深い悲しみにたえません。池田氏は、国内外で、平和、文化、教育の推進などに尽力し、重要な役割を果たされ、歴史に大きな足跡を残されました。ここに謹んで御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方々および御関係の方々に対し喪心より哀悼の意を表します。内閣総理大臣・岸田文雄』

 … 何と、岸田文雄氏は「内閣総理大臣」の肩書を強調。旧統一教会がらみで宗教と政治が微妙な時であるにもかかわらず全く自省なし。憲法20条にはいかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならないなどと明記されており、世間には、「なぜ創価学会だけ特別扱いするのか?」「政教分離の原則に抵触するのでは?」といった反発の声もあがっています。

 池田大作氏が亡くなったことで創価学会や公明党に変化、動揺が生じるのでしょうか。創価学会の組織においては、池田大作氏が10年以上病気で表舞台に出てこられず、その間、実務派で体制を維持しており、池田家と実務派との諍いさえなければ多少の変化はあっても現状を緩やかに維持していくと思われます。

 一方、一応政党である「公明党」は難局を迎えることを余儀なくされるのではないでしょうか。

 ご存知のように、公明党の首脳人事も候補者の公認も、学会の意向で決まることは周知のことです。そして、学会の力の源泉は池田名誉会長の存在であり、精神的支柱として選挙戦での影響は極めて大きいと言えます。池田氏が「表舞台」から姿を消してからというもの、公明党の集票力はあきらかに低下しており、参院選の比例票は'04年の862万票をピークに減少傾向となっています。

 公明党は2022年7月の参院選で、比例代表800万票獲得をめざしましたが約618万票にとどまったのです。少子高齢化の進行で学会員の数が減り続け、集票力に陰りが見えるようになっています。

 公明党の選挙運動を支えてきたのは、創価学会『婦人部』。婦人部は主に既婚の女性会員の組織で、そこに属する女性たちが池田先生のためにと懸命に選挙運動に邁進してきました。 ところが、婦人部は一昨年、主に未婚の女性が入る「女子部」と統合され『女性部』となりました。

 カリスマ・池田大作氏を崇拝し『池田先生のために』と選挙活動をまっしぐらに進めてきたのは婦人会員。しかし、もはや池田大作先生はこの世に居ない、とすれば、今まで熱心に進めてきた選挙活動もその熱意が大いに下がろうというものではないでしょうか。

 公明党が自公連立を組んでいる最大の目的は、国税庁から池田氏を守ることにあったと言われます(池田氏の資産問題)。しかし、なんとしても守らねばならなかった池田氏はもう泉下、一部学会員からは、「政治活動からは手を引き、宗教活動に専念すべきだ」という声も上がり始めたようです。また、公明党内部からも、「衆院小選挙区の撤退論が再び起きるかもしれない」という声も。

 とは言っても、公明党としてもそう簡単に手を切れるものでもありません。政権与党に居るメリットははかり知れませんから…。

 例えば、新型コロナウイルス対策として、自民党は「困窮世帯に30万円を給付」する支援策をとりまとめましたが、公明党(創価学会)の「一律10万円現金給付」プランに押し切られました。結果的には大幅なバラマキに。

 また、公明党は国土交通大臣のポストを死守しています。国交省は陸海空の公共事業を発注するかわりに票やカネ。地元で受ける陳情の7割は道路や建築であり、布教活動にもうってつけです。

 さあ、創価学会/公明党はどこへ行くのでしょう。所詮は利権優先の新興宗教の組織だとすれば、政権与党の甘い蜜を吸う立場を求め、いかなる政党とも連携する融通無碍の存在のように見えます。

 だとすれば、自民党が、憲法改正などについての基本理念に真摯に向き合おうとするならば、上に記した創価学会/公明党との連立から脱却しなければ志を全うすることは出来ないのではないでしょうか。

 今、自民党は、パーティ券問題というレベルの低いビヘイビアを露呈させていますが、立党の精神に立ち返り、誠の同志的な連携をあらためて模索し、国民のための真の政治を目指すべきではないでしょうか。

 令和6年。内政、外政ともに、混迷渦巻く厳しい時代を迎えたように思えてなりません。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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コメント

全国津々浦々に公的な施設より立派な創価学会の建物があるが、その施設名に池田大作の名前を冠したものも少なくない。その意味で統一教会の教祖以上に集金力をもった宗教ビジネスの異才だった。弁舌のみで驚異的な財産を個人としても教団としても築き上げた。国家や民族の隔てなくすべての人間が人間だけが宗教・イデオロギーに己の生命財産をすべて捧げて是とする愚直・純真の魂を持っている。しかし同時に人々のその魂を利用することで俗世の物欲をすべて手に入れようとする野心家もいる。彷徨い続けて宗教に救いを求めた純心な若者が教団という組織が生み出す名利に溺れた結果、という宗教家も少なくない。池田大作がいずれのタイプの宗教家だったのか不明だが、母国日本の首相から、またその日本の領土を奪おうとする国からも弔辞をもらったとなれば俗世の名利はすべて手に入れたと言えるだろう。なお創価学会政党の公明党が日本の国益を損なってきたことは無視できないが、その責めは公明党を政権に組み入れた自民党にある。

投稿: 齋藤 仁 | 2024年1月12日 (金) 08時36分

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