今年の10大リスク…No.1は「米国の敵は米国」!
899回目のブログです。
“世の中の 人はなにとも 言はば言へ 我がなすことは 我のみぞ知る”
坂本龍馬(勤王の志士)
人々が何も知らずに陰口をたたき、後ろ指を指したとしても、自分は自分の信ずる道を行く…。
年も廻り、季節も廻り、あっという間に「立春」も過ぎましたが、国内においては、新年早々からの能登大地震、日航機大火災、政治資金騒動、海外においては、戦争の止む気配は毛頭なく、一層きな臭い動きが世界を覆っていると言っても過言ではありません。このような時、わが国が何を指針に仰いで進んでゆくべきか、些かの迷いもあるでしょうが、わが国のリーダーにおいては、すべからく “私心を捨て公のために” 全身を投げうって国民の安寧と豊かさに貢献していただきたいと願うものです。
さて、世界最大規模の政治専門コンサルティング会社であるユーラシア・グループにより、例年注目される「世界の10大リスク」(2024) が1月8日に発表されました。ユーラシア・グループは、新しい時代の到来を指摘することで有名です。
因みに、昨年の「世界の10大リスク」(2023)を見ましょう。
・ならず者国家ロシア・絶対的権力者習近平・大混乱生成兵器
・インフレショック・追い詰められるイラン・エネルギー危機
・世界的発展の急停止・分断国家アメリカ・TikTokなZ世代
・逼迫する水問題
ならず者国家ロシア、「絶対的権力者」習近平、インフレショックなど予測的中、見事なまでのど真ん中の指摘ではなかったでしょうか。
それでは、今年の【世界の10大リスク】(2024)を見てみましょう。
1位:米国の敵は米国(アメリカの分断)
2位:瀬戸際に立つ中東
3位:ウクライナの分割
4位:AIのガバナンス欠如
5位:ならず者国家の枢軸
6位:回復しない中国
7位:重要鉱物の争奪戦
8位:インフレによる経済的逆風
9位:エルニーニョの再来
10位:分断化が進む米国でビジネス展開する企業のリスク
この報告書の冒頭に述べられていることに『2024 年。政治的にはヴォルデモートの年、恐怖の年、口にしてはならない年である』とあります。ヴォルデモートとは、ハリーポッターの最大最強の敵「闇の魔法使い」のこと。
三つの戦争が世界情勢を左右するとしています。
・ロシア対ウクライナは3年目、戦況はますます悪化
・イスラエル対ハマスは3ヶ月目、悪化の一途をたどる
・米国対米国の争いは、ますます激化し分断化がすすむ
さて、今年の10大リスクの最大のリスクとして「米国の敵は米国」(The United States vs. itself)を上げています。NHKの翻訳では「アメリカの分断」となっておりこの方が分かりやすいかと思います。
アメリカの分断化について考えて見たいと思います。
この報告書では、アメリカの政治システムの機能不全は先進的な民主主義国の中で最もひどく、11月の大統領選挙に向けて政治的な分断がさらに深まるという見方を示した上で、前回の選挙結果を覆そうとしたなどとして複数の罪で起訴されたトランプ前大統領と、現在81歳という高齢のバイデン大統領は、いずれも「大統領にふさわしくない」と指摘。
マスメディアでは、現在の米国のトランプ氏の人気度から “もしトラ”(…トランプ氏がもしも大統領になったならば)段階から、すでに “ほぼトラ”(…ほぼトランプ氏が大統領になる可能性が高い)の様相を呈していると報じています。
では、トランプ氏が実際に大統領になるとどんな政権になるのでしょうか?
・Make America Great Again!(アメリカ合衆国を再び偉大な国に)
・ホワイトハウスの強化、軍産複合体の排除
・一国主義の基本方針を堅持
・移民の入国制限と不法移民の排除
・同盟国への経済制裁
・同盟国との関係の希薄化
・NATOのような国際機関からの脱退や関与縮小
・地球温暖化防止に向けた政策の全面的な見直し
民主党バイデン政権のすべての政策の真逆を志向しており、極めてドラスティックな方向展開が図られるものと思われます。
そのひとつの例として、「移民の入国制限と不法移民の排除」について見てみましょう。
1月31日、米共和党が主導する下院国土安全保障委員会は31日、マヨルカス国土安全保障長官の「弾劾訴追決議案」を可決しました。南部国境で起きている不法移民の急増に対応できていないことから、共和党と民主党の間では移民政策を巡る対立が深刻になっています。
共和党は、先月だけで30万2000人(!)の移民が出くわした歴史的な移民危機を“キャッチ・アンド・リリース”と呼ばれる、国内への移民の解放を含む政策のせいだと非難。そして、不法移民の仮釈放の広範囲な使用、狭められたICE(移民関税執行局)の執行、壁建設の停止を、マヨルカス国土安全保障長官の義務違反問題として指摘しています。
キャッチ・アンド・リリースとは、捕まえた「不法移民」を裁判所に出廷することを条件に米国内に開放すること。共和党支持者は強く非難しており、トランプ支持の理由となっているのです。
民主党は、実質的に不法移民を野放しにする政策を取っていますが、いかに移民票を大量に欲しいからと言って、アメリカ合衆国の基盤を危うくさせることには理解できかねます。これでは、トランプ支持者を増やすことに繋がるのではないでしょうか。
アメリカ合衆国の変質に危惧を懐きます。
しかし、私たちはアメリカ合衆国のことを笑えません。日本国の岸田首相の移民政策もアメリカ民主党の亡国の政策と似たりよったりですから。
皆さんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセ-
です。
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コメント
「アメリカの敵アメリカ」は移民国家が移民国家であり続ける限り逃れられないお宿命だろう。移民者たちが「アメリカ」という植民地をきずいた時点ですでにアジア系原住民たちの移民群のアメリカという対立があった。当時のインディオの人口は現在のオーストラリアの人口よりも多かった。第二の「アメリカの敵アメリカ」の時代はイギリス系白人を中心とした白人至上主義と黒人やインディアンなど有色混血人種などとで分裂した19・20世紀のアメリカだろう。そして現在叫ばれている「アメリカの敵アメリカ」はバイデン対トランプというのは一部であって、実際はオバマ民主党に始まるアメリカ改造計画あるいはアメリカ流動化計画がもたらした「国境なき新しいアメリカ」対「植民地と独立の歴史をもったアメリカ」の勢力争いだと私はみる。オバマは「アメリカとは人種の差別も区別も不要の移民国家であるべきでそれがアメリカの強力な力を生んできた。そこにUSAが地球上に誕生した使命がある」という思想をもっているのではないだろうか。これは二千年にわたって国を持たなかった、すなわち国境をもたずに異邦人として生き抜いてきたユダヤ人の思想と同じであり、また共産主義思想と同様に民族国家としての長い歴史をもつ世界の国々にとっては恐ろしい革命思想である。だがKKKであれWASPであれ特定の支配者層から物心両面での虐待を受けてきた怨恨の歴史をもつ人たちにとっては正義の思想と見える。オバマ以降のアメリカ民主党の政策はそうした思想が垣間見える。その思想で二千年を越える民族国家の歴史をもつ日本を改造しようとしている.その企みに気づかないボンクラの岸田という首相を手に入れて。それに気づいて制止する大物国会議員もいなければ高級官僚もいない。それどころか最高裁までアメリカ民主党のイデオロギーにヨイショする。日本からも国境は消えつつある。
投稿: 齋藤 仁 | 2024年2月 9日 (金) 08時53分