「日本の隆盛」のために!…先端テクノロジー開発の実態から
901回目のブログです。
“ 春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出立つをとめ ”
大伴家持(万葉集)
春の園が桃の花の匂いで満ちている。その下の道も紅色に輝いていて、そこに立つ乙女の姿といったら…。
3月3日はひな祭り。近くの庭園ではで春の空のもとに桃の花か可憐に咲き誇り、穏やかな一日となりました。日ごろからこのようにゆったりとした一日を過ごしたいものです。
国内政局から【2月度・内閣支持率+自民党支持率=青木率】
内閣支持率 自民党支持率 青木率
毎日 14.0(%)16.0(%)30.0(ポイント)
時事 16.9 16.3 33.2
共同 20.0 23.3 43.3
朝日 21.0 21.0 42.0
産経/FNN 22.4 24.8 47.2
TBS/JNN 23.7 24.4 48.1
読売 24.0 24.0 48.0
日経/テレ東 25.0 25.0 50.0
NHK 25.0 30.5 55.5
内閣支持率が毎日の調査で14.0%、時事で16.9%。大変な事態になって参りましたが、岸田総理には私利私欲を離れ、虚心坦懐に出処を決断してほしいものです。
今、世界は、国内政局に構う余裕はありません。先進国は、半導体はもとより、AI、ロボット、ブロックチェーン、量子コンピューティング、再生可能エネルギー、指向性エネルギーといった第4次産業革命の真っ只中で技術開発の凌ぎを削っています。
前回のブログで「オーストラリア戦略政策研究所」のレポートから、先端的テクノロジー44分野の開発状況を総攬しました。結果は、首位の数で、中国が37分野、米国が7分野、何と、悲しいかな、日本はゼロという状態です。…今、政局は政治資金の隠蔽やらで大騒ぎしていますが、政治家の議論の方向は完全に狂っているとしか言いようがありません。
さて、わが国の先端テクノロジーがどの位置にあるのか見ていきたいと思います。(%は220万の研究論文うちの各国の占める割合)
【日本がベスト10に入っている重要な分野】
<量子コンピューティング>
1. アメリカ 33.9%
2. 中国 15.0%
3. イギリス 6.2%
4. ドイツ 5.5%
5. カナダ 4.1%
6. 日本 4.0%
7. スイス 3.3%
8. オランダ 3.0%
9. フランス 2.8%
10. 豪州 2.7%
<ポスト量子暗号>
1. 中国 31.0%
2. アメリカ 13.3%
3. イギリス 6.8%
4. ドイツ 4.7%
5. インド 3.7%
6. カナダ 3.7%
7, フランス 2.7%
8. シンガポール 2.5%
9. 日本 2.5%
10. オランダ 2.2%
<量子通信>
1. 中国 31.5%
2. アメリカ 16.7%
3. イギリス 7.7%
4. ドイツ 6.5%
5. オランダ 3.8%
6. オーストリア 3.8%
7. カナダ 3.6%
8. イタリア 3.9%
9. スイス 2.6%
10. 日本 2.2%
<量子センサー>
1. アメリカ 23.7%
2. 中国 23.3%
3. ドイツ 7.8%
4. 日本 4.3%
5. イギリス 4.3%
6. インド 3.9%
7. スイス 2.7%
8. イタリア 2.7%
9. フランス 2.6%
10. オランダ 2.5%
<高度集積回路設計と製造>
1. アメリカ 24.2%
2. 中国 21.2%
3. インド 7.2%
4. ドイツ 4.5%
5. イタリア 3.6%
6. 韓国 3.5%
7. 日本 3.1%
8. イギリス 3.0%
9. 台湾 2.7%
10. スペイン 2.6%
<極超音速の探知、追跡、特性評価>
1. 中国 73.3%
2. アメリカ 14.1%
3. イギリス 4.1%
4. ドイツ 1.0%
5. スイス 1.0%
6. イタリア 0.7%
7. 日本 0.6%
<先進航空機エンジン(極超音速を含む)>
1. 中国 48.5%
2. アメリカ 11.7%
3. インド 7.0%
4. イギリス 3.9%
5. イラン 3.6%
6. イタリア 2.5%
7. 日本 2.2%
8. ドイツ 2.2%
9. ロシア 2.1%
10. シンガポール 2.1%
ご覧ください。トップ10を列挙した24分野のうち、日本がトップ10にランクインしたのは7分野にしかすぎません。(・量子コンピューティング6位、・ポスト量子暗号9位、・量子通信10位、・量子センサー4位、・高度集積回路設計と製造7位、・極超音速の探知・追跡・特性評価7位、・先進航空機エンジン(極超音速を含む)7位)
他の分野では日本はトップ10にランクインしていません。(・極超音速の探知・追跡・特性評価、・コーティング、・自律型水中ロボット、高度海底無線通信、・ソナーとアコースティクセンサー、・空気非依存型推進力、・自律システム運用技術、・高度なロボット工学、・ドローン・群ロボット・協働ロボット、・人工知能・アルゴリズムとハードウェアアクセラレータ、・高度なデータ分析、・機械学習(ニューラルネットワークとディープラーニングを含む)、・自然言語処理、・サイバーセキュリティ技術、・敵対的AIリバースエンジニアリング、・電子戦技術、・指向性エネルギー技術(レーザーなど))
わが国がこのままの惰性で進んで行くとすれば、科学技術の進展は望み薄だと言わねばなりません。衰退する日本、危ういかな日本。このランキングを見れば、もはや、悠長な時間はありません。このままでは「隆盛」どころか「衰退」の一途をたどるのではないでしょうか。
では、根本的にどう対応すればよいのか。
① 長期国債発行による大胆な財政支援により、国是として新技術開発に積極的に取り組むことを明確に示すこと。
② 経済安全保障のセキュリティ・クリアランスの今国会での成立を期するとともに、「スパイ防止法」の成立を。
③ 学術会議を解体、もしくは民間組織に改組し、国家の要請に基づく軍事的安全保障の研究を自由に行えるようにする。
皆さんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセ-
です。
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コメント
ユーラシア大陸内部の独裁政権は数世紀と持たずに滅びて、別の民族・部族による新たな独裁政権と取って代わる。チャイナが漢民族の国家から多民族国家へと変貌すればチャイナが進めている技術開発が様々な産業に生かされた豊かな国になるだろうが、漢民族国家の旗印を下ろさない限り習近平政権が倒れても共産党政権が倒れても新たな漢民族内の部族・軍閥による独裁政権が出てくるだろう。したがっていかなる先端技術も日米欧のような総合的な技術進歩につながらないため、アメリカに勝利することはできない。ただし総合力においてははるかに劣っていたソ連がアメリカと対等と見られる冷戦を作り出したように、宇宙や海洋全般を含めた軍事技術においてはそれなりの地位を得ることが可能であり、それは日本を圧する力となるだろう。今、日本政府がやるべきことは財務省の緊縮財政派を入れ替えるか、財務省の体質を変えることが第一であり、第二に防衛国債を発行して別途予算で防衛費の三倍増を即時に行うべきであり、第三に国内の原発の稼働を進めて過剰なまでの電力供給力を維持すべきである。電気代を安くすることで製造業の国内復帰を促進できるうえに、チャイナの発電事業を自動的に衰退させることもできる。要は日本国民がこれらの政策を推進できる政党の首相を選出できるか否かだろう。
投稿: 齋藤仁 | 2024年3月 8日 (金) 10時12分