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2024年5月17日 (金)

ドイツは「NO原発・YES風車」で経済マヒ!

 906回目のブログです。

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  “春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり”
             道元(鎌倉初期・曹洞宗の開祖)

 詞書…本来の面目を詠ず。

 自然は美しくて良いものだ。春は野や山に美しい花が咲いて、心がなぐさめられる。夏には鳥が来てホトトギスもさえずり日々の暮らしに潤いをもたらしてくれる。秋は月を愛でながらしみじみと昔を想い出す。冬は雪が降ってもその冬景色は美しい。こういった事が自然の姿である。自然を大切にして子々孫々まで残し自然と共に生きて行きたいものだ…。

 明治神宮外苑の再開発をめぐり、およそ3000本の樹々が伐採されるということで住民の多くが反対の意見を都に申し入れました。自然を大切に子々孫々に残すことの意味を心静かに考えてほしいと思います。小池都知事には、歴史的な景観を踏まえ、従来からの、私利、私欲とパフォーマンスから離れ、日本国民、東京都民のための政治を志向してほしいと思う次第です。

 小池女史と言えば、いわゆるクールビズや太陽光発電推進のパフォーマンスを思い浮かべますが、今、欧州のドイツにおいては環境・エネルギー問題をめぐって大きな分岐点にかかっていることに注目しなければなりません。

 前々から指摘されていますが、ドイツは、環境やエネルギーで急進的な政策をとり、脱原発から脱石炭、そして「脱産業」が始まってきていると言われています。

 4月1日、ドイツは新たに7基の石炭火力を止めました。これを主導しているのは、経済・気候保護省のロバート・ハーベック大臣(緑の党)。ドイツ政府はメルケル政権時に2038年までの脱石炭を決めましたが、緑の党は、それでは遅いとクレーム、2030年までにすべての石炭火力を停止することを主張。緑の党のたっての要求で、連立協定に「理想としては2030年に脱石炭」という文言が組み込まれ、現在、経済・気候保護省ハーベック大臣(緑の党)は、その方針に従って、積極的に脱石炭を進めているのです。

 【ドイツ連立政権】(2021年12月発足)

   首班 社会民主党(SPD) 中道左派
      緑の党(Greens)環境左派
      自由民主党(FDP) 自由市場主義

 連立政権の首班は、社会民主党のショルツ氏ですが、政権は緑の党に引きずられ、環境重視の経済志向へ、脱原発、脱石炭、そして、風力、水素、電気自動車重視などですが、世界は激動の時、平時のように思い通りにはいかないことは現実を見れば明白です。

 こんな時の3党連立は与党内調整にも苦心するのではないでしょうか。ましてや、現実無視の環境イデオロギー政党「緑の党」を説得するのは至難の業と言わねばなりません。

 現実問題として、ドイツは昨年の4月に原発が無くなって以来、電気代の大幅な高騰と供給不安で、経済が急激に傾き始めています。ドイツの経済・社会調査・政策研究を行うIfo経済研究所は3月の経済予測で、ドイツ経済は麻痺状態で悪化中、対して欧州の他国は上向き傾向を示しているとのことです。

 ところが、ハーベック経済・気候保護相(緑の党)は馬耳東風。昨年、産業界からの反対の声を無視して、原発を止め、産業界に大混乱をもたらしましたが、今でも、脱原発は良いことだったと思っており、したがって、脱石炭も、良いことであり、緑の党が政権にいる間にできる限り進めようと必死だそうです。そして、今や、全土に張り巡らされているガスの導管まで次第に撤去していくとのこと。

 現政権、とりわけ緑の党は電力を何で代替するのか明確な計画は持ち合わせていないのです。これでは産業界は大惨事。そこで、電機やガスを多く使う大企業が工場を国外へ急遽移転する始末です。脱原発⇒脱石炭⇒脱産業。経済がボロボロになっても脱炭素に固執するという本末転倒の事象が生じており、今の政府があと1年以上も続けばドイツはもうもたないとの危機感が急激に強まっていると報じられています。

 誤った環境政策、誤ったエネルギー政策は国家の存立を危うくすることに繋がります。

 風車(風力発電)についても、ハーベック経済相(緑の党)は力を入れていますが、ご存知のように “無風” に対する解決策はまだ無いまま、風車の建設や送電線の建設が滞っているから電気が足りないのだとの考えで突っ走っています。

 ドイツが2023年のCO2排出量で前年比10%減少したことでハーベック経済相は大喜びしましたが、何のことはありません。それは、電力輸入の増加や暖冬、そして1番の理由は、エネルギー多消費の産業が生産を縮小したり、国外に生産拠点を移したり、あるいは倒産の多発にあることを理解しなければなりません。

 ドイツは次第に自由経済の国から計画経済の国に変わりつつあります。計画経済は失敗するという歴史の教訓をなぜ学ばないのでしょうか。

 他人事ではありません。わが国の心配事です。

 先日、わが日本国の岸田首相が訪米し、GX(グリーントランスフォーメーション)の推進で日米の政策協調を進めると報道されました。ドイツの間違いは、まさにこの不毛な環境優先政策にあります。ドイツは反面教師、わが国は、なぜドイツの失敗に学ばないのでしょうか。

 日本には緑の党はなく、一部には偏狭な環境左派が蠢いていますが、岸田首相がGXに安易にのめりこむのは無責任極まりないと言わざるを得ません。岸田首相には、誤った環境イデオロギーを排除し、確かな知性と科学的良心及び日本人の心性に基づいた政治を望みたいと思います。

 ドイツ政治は、今、「ヨーロッパの優等生」から「ヨーロッパの病人」への道を歩んでいると指摘されています。

 わが国は、失われた30年を猛省し、現岸田首相や次期首相には、確かな知性と科学的良心及び日本人の心性に基づいた政治により、失われた30年を取り戻していただきたいと望むものです。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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コメント

「観察と経験」を重んじたイギリスの帰納法に対し、ドイツでは「合理的な思考」を重んじた演繹法が知られる。経験重視の伝統をもつイギリスは政治の世界ではフランス革命を批判したE・バークや先鋭化した社会主義を批判したフェビアン協会などが生まれている。さらに第二次世界大戦にF・ルーズベルトが米ソが手を組んで戦後世界を築くような夢想主義に走っていた時に釘をその観念論に釘を刺し続け戦後いち早く「冷戦」の言葉を使ったチャーチルもイギリスの帰納法・経験主義の伝統によるものと言える。一方、演繹法・合理主義の国ドイツは共産主義のマルクス、国家社会主義のヒトラーそして緑の党など政治の世界に中世のカトリック教時代のような排他的一神教世界を生み続けている。科学を進歩させてきたのは合理主義だが、人間は個人も社会も非合理的な存在であり、非合理的な行動をする生き物である。合理主義による政治は最初は効率的で国民も実益を得て喜ぶだろうが、時とともに政治の合理主義からはみ出した人々の不満が膨らんで最後はソ連ロシアや中共のように国民の不満を力づくで抑えるか反革命を招くことになるだろう。アメリカ民主党の政策も緑の党に似ており、地球環境脱炭素・WHOワクチン強制・自由市場の拡大などのグローバリズム正義(実際は参加した特定組織による利益独占)など特定のイデオロギーの敷衍を進めており、わが国の岸田政権はその走狗になっているとしかみえない。

投稿: 齋藤 仁 | 2024年5月17日 (金) 08時30分

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