「信なくば立たず」…衆院3補選 岸田自民全敗!
905回目のブログです。
『民無信不立』(民、信なくんば立たず) 論語
子貢、政を問う。
子日く、食を足し、兵を足し、民之を信にす。
子貢日く、必ず已むを得ずして去らば、斯の三者に於て何をか先にせん。
子日く、兵を去らん。
子貢日く、必ず已むを得ずして去らば、斯の二者に於て何れをか先にせん。
子日く、食を去らん。古より皆死有り、民信無くんば立たず。
論語は、孔子や孔子の門弟の言行を記したものであり、儒家の聖典とされ、四書の一つ。『民、信なくんば立たず』という言葉は顔淵第十巻にあります。
4月28日、自民党の政治資金パーティー裏金事件発覚後初の国政選挙が実施され、衆院東京15区、島根1区、長崎3区の3補欠選挙で、自民党は全敗(東京15区、長崎3区は不戦敗)という不様な結果となりました。
【衆院補選 東京15区】(江東区)
(当)酒井菜摘 49,476票 立憲
須藤元気 29,669票 無所
金沢結衣 28,461票 維新
飯山 陽 24,264票 諸派
乙武洋匡 19,655票 無所
吉川里奈 8,639票 参政
秋元 司 8,061票 無所
福永活也 1,410票 N国
根本良輔 1,110票 諸派
【衆院補選 島根1区】
(当)亀井亜紀子 82,691票 立憲
錦織功政 57,897票 自民
【衆院補選 長崎3区】
(当)山田勝彦 53,381票 立憲
井上翔一朗 24,709票 維新
【投票率】(3選挙区とも過去最低を記録)
(今回) (これまでの最低投票率) (差)
東京15区 40.70% 55.59% ▲14.89%
島根 1区 54.62% 57.94% ▲ 3.32%
長崎 3区 35.45% 51.58% ▲16.13%
永年、押しも押されもしない与党第1党の地位にいる自民党が、政治資金パーティー券をめぐる問題で右往左往、屋台骨もガタガタ、見るも無残な醜態を晒していることは連日の報道でご存知の通りです。
その結果が上記の衆院選補欠選挙で明らかになりました。そこで、自民党の敗因の根本について考えて見たいと思います。
政治資金パーティー券の還流分(いわゆるキックバック)について、派閥の幹部は、揃いも揃って「すべて政治活動に使っており使途については知らぬ存ぜぬ」で「納税するつもりはありません」と明言。その他議員も右へ倣えという訳で、法もルールも無視。
これでは一般国民は怒りと嫌悪から恨みと憎悪へ一直線。民間の場合であれば、税法上、使途不明金には課税されるのが当然というものです。それが不可能というのであれば、全く持って、政治家に倫理と道徳を求めることは出来ません。脱税、責任のがれ…まさしく薄穢い不実の極みと言わねばなりません。国民が政治家に不信感を持つのは当たり前であり、今回の選挙で「自民党にNO!」を突き付けたことに十分理解できます。
加えて、政治家に理解してほしいのは一般国民の生活が非常に苦しくなっていることです。まずグラフをごらんください。
【実質賃金減少、最長に並ぶ 23カ月連続】
2月の毎月勤労統計調査(従業員5人以上)によると、
現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた
実質賃金は、前年同月比1.3%減少。(厚生労働省)
名目賃金の伸びが、物価上昇に追い付いていないため、実質賃金の減少は過去最長に並ぶ23カ月連続となっているのです。この実態を、岸田首相、自民党は厳しく認識するとともに、財務省にも大きな一因があることを理解しなければなりません。そして、救国のため、積極経済に転換させるべく、財務省と真剣勝負を行う必要があります。財務省の掌でもてあそばれているようでは自民党の将来はないといえるのではないでしょうか。
さいごに、今回の自民党政治資金問題について、派閥側で在宅起訴されたのは、旧安倍派「清和政策研究会」の会計責任者、二階派「志帥会」の会計責任者、そして、略式起訴されたのは、岸田派「宏池政策研究会」の元会計責任者です。
そして、二階派、及び旧安倍派の幹部はそれなりの責任を取らされました。しかしながら、何と、岸田文雄氏は自らに対しては “処分なし”。政界を揺るがすこれだけの大問題を生じさせたことを考えれば、普通の一般常識ではありえないこと。この鈍感さと悪辣さには呆れて言葉も出ず、自らに大甘とはこれ如何に!
これでは、自民党が瓦解するのも時間の問題でしょうか。こんな無責任な総裁・総理大臣が過去居たでしょうか、小生、寡聞にして知りません。
岸田文雄氏は、令和3年(2021)9月17日、自民党総裁選の告示日第一声において、次のように所信表明演説をしました。(一部抜粋)
【信なくば立たず】
『政治の根幹である国民の信頼が大きく崩れ、我が国の民主主義が危機に瀕しているのではないか。強い危機感を持つに至りました。
今こそ、国民政党として、国民の声を聞く、丁寧で謙虚な政治、多様な意見に寛容な政治が求められているのではないでしょうか。
求められる政治は、自分のやりたいことを、「俺についてこい」と強引に押し付ける政治ではありません。ましてや、「俺が正しいんだ」と国民をねじ伏せる政治でもない。
一人一人の国民に寄り添い、その多様な声を真摯に受け止める。そうした、寛容の政治が求められています』
岸田氏の過去の言や良し、しかし、岸田氏の今の言行は真逆、…まるで “パロディー” というべきか、国民を舐めているように思えてなりません。
岸田首相、いい加減、辞職を覚悟されてはいかがでしょうか!
皆さんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセ-
です。
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コメント
洋の東西を問わず名ある政治家は、叶えたい目標や確固たる信念をもった政治家は出処進退も明確である。彼のその志が己だけの確固たる人生観・倫理観を築いているからであり、それが成就すれば潔く、成就しなくても不可能とみれば身を引いた。人一倍の出世欲・名声欲があるが才能は二流(mediocre)と自覚している人間は政界や業界などの組織の中での地位(post)だけがすべてである。したがって人がどう評しようと地位にしがみつき、そのポストで揮うことのできる権力を最大限に行使する。アメリカ国民だけでなく世界中の国民を騙す才能を持っていたオバマはF・ルーズベルトに似てポピュリストとしては一流の才能を持っていた。だが副大統領として仕えていたバイデンはトルーマンと同様に二流であることを自覚している。それゆえにオバマやルーズベルトと肩を並べる、あるいは超える何かをやりたくてしかたない。そして世界の指導者から一目を置かれた安倍晋三を身近に見てきた岸田文雄も何をやるべき分からないままポストにしがみついている。日本の二流宰相にとって二流大統領のバイデンこそ良き先輩であり続けるだろう。
投稿: 齋藤 仁 | 2024年5月 3日 (金) 09時56分