トランプかハリスか…その時「日本」はどうする!
912回目のブログです。
“夏と秋と 行きかふ空の かよひぢは かたへ涼しき 風や吹くらむ”
凡河内躬恒(平安前期・古今和歌集)
去る夏と、来る秋とがすれ違う空の通路では、片側は来る秋で涼しい風が吹いていることだろう…。
現在の8月7日立秋の前日に詠んだ歌。
猛暑、熱暑、酷暑、うだるような日が連日のように続いていますが、平安の古においては、立秋の言葉を聞けば、涼しき風が秋の側から吹いてくるのでしょうか。…雅な心境ですね。
茹だる夏と言えば、株価の暴落、日銀・政府の政策間違い、米大統領戦の行く末、相変わらずの世界各地の戦争、そして、パリ五輪の熱狂、など挙げれば枚挙にいとまもありません。
さて、熱戦続く米大統領選に目を向けたいと思います。
民主党は、バイデン氏の大統領選撤退宣言から副大統領のハリス氏の登場で、1週間で300億円の資金調達を果たすなど、好感度急上昇が伝えられており、カマラ・ハリス氏が8/6、正式に民主党の大統領候補になりました。
世論調査ではハリス氏がトランプ氏に追いつきそうだとの観測をしていますが、米国のマスコミは圧倒的に民主党支持であり、また今は、ハリス氏のハネムーン期間であることを勘案すれば、真の人気度が分かるのは今少し時間がかかるのではないでしょうか。
今回の大統領選挙の国民の主な関心は、経済(インフレ)、不法移民、中絶権利です。経済(インフレ)に関しては民主党も共和党も同じ対処、中絶権利もトランプが民主党に妥協し各州の判断に任せるとしていますからほぼ同じ、『不法移民』だけは民主、共和で対処は大きく異なります。
アメリカでの不法移民の大量流入は深刻な社会問題。わたしたち日本人は、島国に住んでいる関係上この問題に極めて鈍感ですが、移民問題は世界的なテーマでもあり実態を素直に注視しなければなりません。
バイデン政権の発足当時、米国にいる不法移民の数は推定1,100万人程度と言われていました。それが、バイデン政権下で米国に入国した不法移民は公式カウントで730万人、法執行を逃れた「逃亡者」として知られる推定180万人を足すと910万人、したがって、不法移民は総計で2,000万人を越える人数であり、これが犯罪やギャングの温床になるのは火を見るよりも明らかです。
さすがに、バイデン大統領は、6月4日、何と“トランプの移民法”を採用し、メキシコ経由の難民希望者の受け入れを制限する大統領令を発令したのです。
ところで、過去、カマラ・ハリス氏は2017年「何百万人もの難民に背を向けることはできない」とトランプ氏を厳しく非難。2018年には、民主党の議員たちも、トランプ氏が亡命の廃止を求めて「偏見の火種」を煽っていると非難しました。不法移民について、ハリス氏は何も解決策を提示せず流れに任したままであり、まるで不法移民の認識を持っていないように見えます。
ハリス氏とトランプ氏は不法移民の受け入れに対しては真逆の姿勢。果たしてハリス氏が正しいのかトランプ氏が正しいのか、9月に行われるであろうハリスとトランプの丁々発止の討論会が見ものです。
もしも、トランプ氏が大統領になったらわが国は米国にどう対応すればよいのでしょうか。トランプ氏の主張に耳を傾けて見ましょう。
・トランプ氏の主張「中国から製造業を取り戻す」「不法移民の流入を防ぎ雇用を取り戻す」「シェールオイルの採掘の復活」「EV優先政策を終了」「世界の警察を辞める」(守って欲しいならば金を払え)「中国製品への高関税」
…わが国は、トランプの主張に積極的に従わざるを得ないのではないか。安全保障については早急に自立の道を模索しなければならないだろう。
・トランプ氏「ウクライナ支援の中止」(ウクライナ/ロシア戦争)「イスラエルへの資金援助を凍結」(イスラエル/ハマス戦争)」
…わが国は、それぞれの戦争の締結に賛意を表す以外に道はない。トランプ氏が、国際金融資本、軍産複合体、巨大IT企業、グローバリズムと対立していることをわれわれは認識しなければならないだろう。
・トランプ氏「国連に懐疑」(国連、および配下の諸機関)
…中国が国連の諸機関に資金提供で懐柔していることに留意し、わが国は、米国以上に国連に警戒感を持たねばならない。
・トランプ氏「米国は自国ファーストでいく」「地球温暖化に疑義」(温室効果ガス排出削減パリ協定離脱)「自動車産業の救済」
…米国がトランプ大統領ならば、わが国も自国ファーストでいくことを求められるに違いなく、それに速やかに対処しなければならない。
・トランプ氏「日本の自立を求める」(日本の問題は日本で解決せよ)
…長期的に考えると、トランプ氏は、米軍の海外基地を整理したいと考えているのではないか。また、NATOからの脱退も視野に入れているかもしれない。
…台湾有事についても、その時、米国が即時に対応してくれるかは不透明である。「台湾有事は日本有事」と日本が考えるならば、まず、日本が動かなければならないことを覚悟しなければならない。とすれば、早急な “憲法改正” に踏み込むことを決断しなければならないのではないか。
もしも、トランプ氏が大統領に就任すれば、日本は自立を余儀なくされるのは間違いないと思われます。誠に残念ながら、もう、安倍首相はおられません! ある意味で、わが国はチャンスを迎えたことにもなりますが、重い~重い課題を背負うことにもなるのではないでしょうか。
そう考えれば、今回の自民党総裁選(即ち次期内閣総理大臣選択)は、我欲からではなく日本の国益を忠実に守る立場からの選択を望みたいと思います。
最後に、アメリカは、過去、多くの戦争を引き起こしたリベラル民主党のハリス氏を選ぶのか、戦争を回避しようとする共和党のトランプ氏をえらぶのか、果たしてどのような結果になるのか、息をひそめて見守りたいと思います。
皆さんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセ-
です。
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コメント
アメリカ通を自称する評論家が大統領になるのは誰かとあれこれ評しているが、民主主義選挙の常識が通じる国なら読みがあたるだろう。しかしアメリカの民主主義はマフィアのような法を超越した覇権争いが土台にある。未開の地に広大な牧場や農場を開拓して成功者となっても土地の法的な支配者とならなければ後から来た住民に牧場や農場を削り取られる。そこでカネの力で市長・町長になり行政と警察組織を掌握する。最後に司法だが、地方の検察官は選挙で選ばれるのでカゲの力(カネの力)で何とかなる。アメリカの民主主義の大原則となる選挙と三権分立は建国時代も今も変わらない。大統領選では州ごとにカネで蠢く隠れた独裁者がそれぞれの選挙方法を取り決めるため前回前々回に行われた選挙も参考にならない。2024年のアメリカ大統領選の結果も投票締め切り時間で確定するか不明である。ただ民主党はいかなる手段を用いてもトランプの再選を潰しにかかるだろう。トランプが再選されれば暗殺未遂事件や2020年の選挙の闇、さらにはバイデン父子の賄賂の問題を暴かれるのは間違いなく、クリントン・オバマ・バイデンと繋がる民主党の中枢が最も恐れる事態に陥るからである。
投稿: 齋藤 仁 | 2024年8月 9日 (金) 08時08分