自民党総裁選…異聞!
916回目のブログです。
“すむとても いくよもあらじ 世のなかに 曇りがちなる 秋の夜の月”
藤原公任(平安中期・三十六歌仙)
仲秋の八月、月が雲に隠れたのを見て詠んだ歌。
月がよく澄むといっても幾夜もあるまい。雲に隠れて光を失うことの多い秋の夜の月なのだ…。(人がこの世に住むといってもそう長くはあるまい。人生もいろいろ支障が多く心身をそこなうものだ)。
漸く秋の肌寒さを感ずる季節になりました。それでも、日中は夏日を示す日々が続いており、今年の天気予報では秋が短いそうで、紅葉のタイミングを上手く選び、今年こそは情趣に富む紅葉狩りと行きたいものです。
9月27日、候補者が9名も立候補するという狂騒の自民党総裁選の投票が行われ新総裁が選出されました。
まず、総裁選の結果を見てみましょう。
【開票結果】(有効投票総数735票)
(議員票)(党員票) (合計)
高市早苗 72 109 181
石破 茂 46 108 154
小泉進次郎 75 61 136
林 芳正 38 27 65
小林鷹之 41 19 60
茂木敏充 34 13 47
上川陽子 23 17 40
河野太郎 22 8 30
加藤勝信 16 6 22
※過半数獲得者なしにより、上位2名で決選投票。
【決戦投票結果】(有効投票総数409票)
(議員票)(都道府県票)(合計)
石破 茂 189 26 215
高市早苗 173 21 194
さて、ここで総裁選の異聞を記してみたいと思います。
1回目の投票で、高市早苗氏がトップでしたが、決選投票で石破茂氏に逆転されました。高市氏を支援した純粋保守派はもとより、高市早苗さん自身も悔しい思いをしたのではないかと思います。この裏にどのような工作やかけひきがあったのでしょうか。
・投票日の2~3日前から、決選投票について、反高市のグループが、高市氏に投票しそうな議員に対して、「中国が右派の高市に反発している。公明党・学会は高市を支持する議員には選挙協力はできないと言っている。落選してもいいのか…」との恫喝まがいの言葉を吐いているとのうわさが広がっていました。中国共産党の動き、それを受けた自民党媚中派の動き、怖いですね…。
・アメリカの高官が、高市氏の靖国参拝に厳しい異議を唱え、内政干渉を積極化していると言われています。確かに、過去何度も、アメリカは日本の政治に容喙(くちばしをいれること)してきましたし、また、それを許してきました。その意味では「日本」は半人前の独立国と言うべきかもしれません。
・そもそも、今回の新総裁選びは、不承々々退任する岸田首相の言葉によれば、自民党の「刷新感」を醸し出すことでした。
女性ならば ⇒ 高市早苗さん、上川陽子さん
若手ならば ⇒ 小林鷹之氏49歳、小泉進次郎氏43歳
ではなかったのでしょうか。ところが、ふたを開けて見れば、岸田首相は、古いイメージのベテラン石破茂氏を自分が率いる旧派閥ぐるみで推し…。そのうえ、岸田首相はキングメーカーに鎮座するという、したたかなやり口、まさに口あんぐり、公よりも私に傾き過ぎていると言わざるを得ません。
・最下位の加藤勝信氏の得票をご覧ください。議員票で16票しか投票されていないんです。候補者は立候補するためには20人の推薦人を集めなければなりません。得票数の中には、候補者加藤氏の1票がふくまれていますので、5人が加藤氏に「背信」したことになります。義理も人情もなく、誠実さも真摯さもない人間の屑とも言える自民党議員が少なくとも5人は存在することは明らかです。加藤氏に投票しないのであれば推薦人になるべきではありません。国会議員は公的存在ですから。
・決選投票で石破氏215票、高市氏205票。石破氏の投票数から僅か11票が高市氏側に留まっていれば高市氏が当選していたことになります。
・その点を考えるうえで、高市早苗さんの選挙参謀を担った「選挙の神様」藤川晋之助氏の発言は示唆に富んでいます。(ユーチューブチャンネル「選挙ドットコム」より)
決選投票直前の石破氏と高市氏の演説について「2人ともあまり格調高くないなと思った。1番注目される時ですから。これが歴史に残る言葉だから、党員がグッとくるキーワードが少なかった」と苦言を。
藤川氏は「彼女は日本初の女性総理の実現ということを一切使わないんです。上川陽子さんはずっと言ってた。(高市氏は)男女関係ない。能力のある人が頑張るべきというのが彼女の思想。それはいいんだけど。
一般大衆に訴えるのに“女性初の総理”というのは、あの時こそ言って。
“日本が変わっていく大きなきっかけになる。”
“私はその使命を背負ってる。”
ぐらいのことを言ってたら、もうちょっと違ってたかな」と悔やんでいます。
・悔やんでも悔やみきれない票差ですが、捲土重来を期していただきたいと切望します。
最後に、9/27日の新総裁選出後の会見で石破氏は、解散時期について「国民の皆さんでご判断いただく材料はきちんと提供し、国民に向かって不誠実な態度だけは取りません」
8月には、「全閣僚出席型の予算委員会、そういうものを一通りやって、この政権は何を考えているのか、何を目指そうとしているのかということが国民の皆様方に示せた段階で、可能な限り早く信を問いたい」
「総理に就任したら衆議院を解散する前に国会で全ての閣僚が出席して質疑を行う予算委員会を開催する」と繰り返し述べていたのです。
ところが、あろうことか、9/30日、石破氏は、衆院を早期解散し10月27日に投開票を行うことを表明したのです。国民を無視、党内を優先。何と、わずか3日での手のひら返し。
新総理大臣・石破茂氏は、しょっぱなから国民を裏切りました。
『民信無くば立たず』(論語・顔淵)
皆さんはどのようにお考えでしょうか。
次回は
時事エッセ-
です。
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コメント
高市候補の最終演説の出来不出来は関係なかった。菅と麻生の対立云々よりも岸田首相の動きがすべての総裁選だった。それは岸田首相の三年間を概観すれば凡庸な我々庶民でも一目瞭然だろう。安倍元首相の支援で首相になり、その一年後に安倍氏は暗殺された。その直後から清和会・旧安倍派が糾弾されて解体されたが、その間も岸田氏は宏池会の会長であり続けた。しかも宏池会は中国人からのパーティ券購入額がもっとも大きかった。そして不思議なことにアメリカのバイデン政権と親密な関係を築き在日アメリカ大使の指示を受けながら、一方では親中派の林氏や河野氏、上川氏らを重職に据えて、故安倍氏の政策と正反対な動きをとっていた。ウクライナへの巨額支援金やLGBT法を進める一方で、憲法改正を謳い、国防費の増額を行った。この不思議な内政・外交には日本の首相としての一貫性は感じられない。素人の眼にも誰かどこかの国の指示による政策としか見えない。次の政権がこの不思議な政策の検証を進められたらんなことになるのか。岸田前首相が恐れていたのは前政権の政策の見直し検証だったと見る。したがってどんなバカ・阿保が首相になってもいいが安倍元首相の遺志を継ぎそうな高市議員だけは潰さなければならなかった。それさえ成就すれば自民党が、おそらくは日本国もどうなろうと構わない。総裁選後に岸田氏が吐いた暴言が彼の本音と不安を明らかにしている。
投稿: 齋藤 仁 | 2024年10月 4日 (金) 08時42分