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2025年2月21日 (金)

世界の十大リスク+日本のリスク!

 926回目のブログです。

20252211

 “ 春霞 たつやおそきと 山川の 岩間をくぐる 音聞ゆなり ”
         和泉式部(平安中期・後拾遺和歌集)

 春霞が立つのが遅いといわんばかりに、春霞が立った途端、谷川の水の岩間をくぐるさわやかな音が聞えています…。

 雪解け水の爽やかな音と麗しい景色を詠んでいる見事な和歌です。

 まだまだ寒い日々が続き身体を縮めていますが、雪解けの爽やかな音とともに梅の花の可憐な姿を眼前に見たいものです。それにしても、王朝の歌人の雅な雰囲気を美しい言葉で微妙に表すことに感嘆せざるを得ません。この和歌の道がわが国の伝統文化のひとつとして永遠に続いていることは誠に喜ばしいことです。

 さはさりながら、年を明けてからの世界情勢は、米国トランプ大統領の矢継ぎ早の政策展開で、米国はもとより、わが国を含め世界各国が唖然、茫然とした有様です。

 しかしながら、わが国は石破首相をはじめ全体に緊張感に乏しく、メリハリのない政治状況となっているのではないでしょうか。

そこで、ユーラシア・グループの発表した『ことしの10大リスク』をご覧ください。

  1位:深まるGゼロ世界の混迷
  2位:トランプの支配
  3位:米中決裂
  4位:トランプノミクス
  5位:ならず者国家のままのロシア
  6位:追い詰められたイラン
  7位:世界経済への負の押し付け
  8位:制御不能なAI
  9位:統治なき領域の拡大
  10位:米国とメキシコの対立

 過去、2017年、トランプ大統領が登場した時も、1位:わが道を行くアメリカ、2位:中国の過剰反応、と、同じような項目が挙げられていました。

 トランプ大統領は、2017年は「America First(アメリカ第一主義)」、2025年は「Make America Great Again(アメリカ合衆国を再び偉大な国に)」。また、2017年は「中国の過剰反応」、2025年は「米中決裂」。米中関係について、今年のユーラシアGは「世界で最も重要な地政学的な関係において管理されない“デカップリング”が生じ、経済の混乱と危機のリスクが高まることになる」としています。

 さらに、世界の十大リスクに挙げられている第1位の深まるGゼロ世界の混迷とはどのようなものか考えて見たいと思います。

 Gゼロとは、グローバルな課題への対応を主導し、国際秩序を維持する意思・能力を持つ国家や国家の集まりが存在しない状態です。分かりやすく言えば国際政治における権力の空白を意味しています。

 自国の利益優先、自国の経済の優先、国内重視、国際秩序の軽視、他者の排除、右傾化、EU崩壊?も、

 2025年には地政学的不安定が常態化し、国連安全保障理事会、国際通貨基金(IMF)、世界銀行といった主要な国際機関が、もはや世界のパワーバランスを反映していないことを指摘し、それにより“ならず者国家”ロシアの存在が世界大戦を引き起こすとも。

 ユーラシア・グループは「Gゼロ世界」に関してこう締めくくっています。

 「私たちは、1930年代や冷戦初期に匹敵する、世界史上でも独特の危険な時代に突入しつつある。この地政学的現実こそが、今年の10大リスクの背後にある要因だ。そして、真に壊滅的な事態が発生するリスクは日々増大している」

 大変な国際情勢です。翻って『わが国のリスク』はどこにあるのか真剣に考えて見なければならないのではないでしょうか。

 石破首相は、最近、「楽しい日本」「令和の日本列島改造」と呆けたことを言っていますが、待ってほしい、そんな言葉遊びをしている間に、わが国の土台が崩れかかっていることを認識してほしいと思います。

 1月28日午前10時、埼玉県八潮市の県道交差点で、トラックが左折しようとしたその瞬間、道路が直径5m、深さ10mにわたって陥没するという大事故が発生。トラックは頭から穴の中に落下し、74歳の男性運転手が土砂に埋もれて安否不明になっています。

 連日テレビで放映され、国民は恐怖を感じたに違いありません。下水道管は約40年前に埋設されたもので、汚水から発生する硫化水素によりコンクリートが腐ったもの。下水道管の耐用年数は50年ですが場所によっては40年でも腐敗します。すなわち老朽化のせい。このような現象が全国いたる所で発生すると考えると背筋が寒くなります。

 わが国のインフラは、1955年から90年にかけての高度成長期に集中的に整備されため、老朽施設が急激に増え続けているのです。数字を見て見ましょう。

 下水道管      現在50年超が7% 20年後には40%
 橋梁(720,000)  2030年には50年超が55%
 トンネル(11,000)2030年には50年超が36%

 強烈な不安に襲われる数字であり、政府はこれが厳粛なる事実として認め緊急にも対策を講ずべきではないでしょうか。われわれ国民も、このような事故は発生しないと問題視しない傾向があるのは良くないことです。老朽インフラの管理、補修はまことに持って地味な仕事ではありますが極めて大事なことであることは言うまでもありません。

 老朽インフラの管理、補修は、待ったなし。とすれば、財源、技術系職員の確保に全力を上げなければなりません。しかしながら、困ったことに財務省は緊縮財政主義であり、国民の輿望を背景にした活力ある圧倒的な政治姿勢によって財務省を積極財政主義(長期建設国債発行など)に転換させなければ後顧の憂いをのこすことになるのではないでしょうか。

 わが国においては、老朽インフラの整備は最大のリスクのひとつとして位置づけられるものです。石破首相には “楽しい日本” の浮ついた夢を語るよりも、地味であっても暮らしをさえる政策「老朽インフラの整備」を積極的に推進してほしいものです。それが一番お似合いです…。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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コメント

トランプ大統領が壊す世界といったイメージが流れているが、ブッシュ・小泉の時代のイラク戦争とは何だったのか、あの時世界は、と大騒ぎをしていた。クリントンやオバマはやり手の弁護士のような弁舌と見た眼で多くの人の判断を見誤らせていたが、彼らは莫大なカネを世界中にばらまいたが、紛争無き世界造りの為の努力はしていない。米中の親密な経済関係を築いて自身は大儲けし、中国は超大国の仲間入りしただけである。バイデンはオバマの副大統領時代に学んだ利権と謀略を最大限に駆使したに過ぎない。彼はアメリカ大統領に選ばれるに必要な要素を世界に示した。それは「民主主義国の指導者になるにはルーズベルトやケネディ、そしてオバマのような大衆を魅する弁舌が必須、次にその弁舌は論理的である必要はなく正しくなくてもよい。国民の情念に訴える力があればよい。さらに弁舌がダメでも見た眼がダメでも、新しい世界観で国民を同意させればよい、脱炭素の世界、ジェンダーフリーの世界といった人々が眩く感じる世界観を提示しそれこそ正義だと国民が信仰すればよい」といったところだろう。まるでヒトラーの手法を真似たようなアメリカ大統領である。そういえばヒトラーも民主主義のワイマール憲法下で選出された大統領である。私が気になるのはバイデンのこの手法をわが国の岸田元首相が伝授されたのではないかということである。バイデン配下の支店長のように大金を手にウクライナなどに配り歩いて、また任期寸前にもアメリカへ渡ったりエマニュエル大使と密談したり。日本国土の地下のインフラも気になるが、日本政府を牛耳ってきた与党の地下の流れも気になる。あるいはこちらの闇のほうが深く危険かもしれない。カネの流れも含めて。

投稿: 齋藤 仁 | 2025年2月21日 (金) 08時15分

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