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2025年6月27日 (金)

「給付金」か「減税」か … それが問題だ! 

 935回目のブログです。

20256271

“ひさかたの、雨も降らぬか、蓮葉に、溜まれる水の、玉に似たる見む”
                      作者不詳(万葉集)

 久々に雨でも降ってくれないかな。蓮の葉に溜まった水が玉のようになるのを見たいものだ…。

 ある宴会のときに食べ物を蓮の葉に盛ったそうで、その蓮にちなんで詠んだ歌です。

 梅雨の季節ですが、適度の雨はそれなりに情緒があり、上の万葉の和歌にあるように、蓮葉(はちすば)に溜まった水玉のきらっとした煌めきに自然の美しさを感じます。

 このような蓮葉の季節ではありますが、政治の世界は明らかに深く澱んでいると言わねばなりません。先日の6/22、東京都議選の投開票が行われ、驚くべき結果となりました。

 【都議選】党派別当選者数
           (選挙前勢力)
  都民ファ  32   26
  自 民   21   30
  公 明   19   23
  立 民   17   12
  共 産   14   19
  国 民    9    0
  参 政    3    0
  ネット    1    1
  無所属   11   11
  ※ 維新、れいわ、保守、社民、再生、諸派、は当選者数ゼロ。

 自民は過去最低を下回る21議席という大敗都民ファ第一党へ、公明党は36年ぶりの落選者、国民は初の議席9議席獲得、参政は初の議席3議席獲得。

 その他、維新、れいわ、保守、社民、再生、は当選者数ゼロという結果にも驚かされます。

 選挙は勝負。とすれば、プロ野球の名監督であった野村克也監督の名言を思いだします。~『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』~、特に、ここで、自民党の大敗についてその要因を考えてみましょう。

 立党の精神(独立・改憲)を失っている。
 国民生活の実態を理解しようとしていない。
 公と私の区別がめちゃくちゃである。
 政治家に2世、3世が余りにもはびこり過ぎである。
 財政、金融の基本的知識に欠けている。
 安全保障感覚(国家・企業&組織・個人)の欠如。
 公党間の約束を平気で破る。

 その他挙げ出せば切りがありません。そのなかで、わたし達庶民の暮らし向きがかなり厳しくなっていることは、世のなかの実際の状況を見れば一目瞭然であるにもかかわらず、それに無頓着であることに問題があります。…お米の不足と価格、光熱費、日常食品など。

 ひとつの例を取り上げましょう。昨年12/11、自民、公明、国民民主の3党は幹事長会談で、年収103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」について、国民民主が主張する「178万円」を目指して来年から引き上げることなどを盛り込んだ合意書を交わしました。合意文は以下の通り。

いわゆる「103万円の壁」は、国民民主党の主張する178万円を目指して、来年から引き上げる。
いわゆる「ガソリンの暫定税率」は、廃止する。
  上記の各項目の具体的な実施方法等については、引き続き関係者間で誠実に協議を進める。

 3党で合意はしたのですが、庶民、市民、国民の大多数が望む「ガソリン税減税」に関して与党の自民党・公明党はのらりくらり、それでも、立民、日本維新の会、国民民主、共産、参政、日本保守、社民の7党が6/11法案を共同提出しました。

 ところが、野党7党が提出したガソリン税の『暫定税率廃止法案』を巡り、参院財政金融委員会は6/21、質疑を一応は実施。しかし、野党の採決要求に対し、自民党は審議不十分だとして拒否。三宅委員長(自民)は採決を行わないまま散会を宣告。法案の継続審査の手続きを取っていないため、6/22の会期末で廃案となったのです。

 減税は間違いだというドグマ(宗教の教義・偏見的な説)に洗脳された与党の自民党・公明党は庶民のささやかな要望に断固NOを突き付けたのです。すでに、自民、公明、国民民主の3党合意がなされているにも関わらずです。

 これでは、選挙に負けて当然、自民党は大敗しました。野村監督の言う “負けに不思議の負けなし” ではないでしょうか。国民を欺いた天罰というべきかも知れません。

 いよいよ、参議院選の火ぶたが切って落とされました。7/3公示、7/20投票。参議院選は東京都議選の影響をもろに受けると言われており、おそらくは大波乱になるものと予想されますが、例えば、自民党はどのような政策を掲げて選挙に臨むのでしょうか。

 石破首相は、参院選の自民党の公約に、物価高対策の一環として国民一人あたり2万円、子どもと住民税非課税世帯に1人2万円を加算する現金給付案を盛り込むと表明しました。

 国民一人あたり2万円の給付はばらまきではないのか。報道各社の世論調査では、給付金は選挙目当ての露骨な「バラマキ」として批判の声が過半数を占めています。国民は、金をばらまけば喜ぶに違いないとの石破首相の発想に、本当にいやらしさを感じています。

 高額所得者も、収入の少ない人も一律に2万円、と言いますが、ついこの前の3/3、新人議員にポケットマネー(?)から10万円の商品券を配り、問題になった金持ちの石破首相自身にも支給されるわけですから、ナンセンス喜劇そのもの。配布癖、配布亡者!。冗談抜きにして、公職選挙法違反に当たらないのか疑問なしとは思えません。

 これに対し、野党各党は、消費税減税、ガソリンなど本格的な減税による国民の収入増、景気浮揚策などを掲げるようです。

 この流れでいけば、来る参議院選は大乱戦になるのではないでしょうか。国民に信頼される政治家国民を信頼する政治家、を選びたいものです。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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コメント

行政組織に関わらない政治家の発言はその責任の度合いにおいて評論家と大差ないが、政府の一員となった政治家の発言は国民に対する約束であって、それに違背した場合はそれなりの公的な責任をとらねばならない。特に内閣の一員となれば職を辞するだけでは済まないものである。現内閣は首相自身が就任して一年も経たたないあいだに、選挙時の国民に語った公約も、公党の党首間の公約も、外国のトップとの公約も、次々と破り続けている。日本国内の中小企業の経営者でもこれほどに「羞恥心」を持たない日本人はいないだろう。外交舞台におけるイシバの言動に、黒澤明監督の「影武者」を思い浮かべるのは私だけではないだろう。日本国の首相のニセモノがあそこに立っている。こんな男を総理大臣に祭り上げた自民党の政治家の責任は重い。自民党を破壊的にまで潰しているのはイシバでなく、キシダやスガに与した自民党の国会議員である。日本国民に申し訳ないと思う気持ちがあるなら、野党に任せるのでなく、イシバ総理産みの親となった彼らが責任をもって退陣をさせるべきである。その時に彼らもまた「私たちも責任を取って次の選挙には出ません」として、バカ殿選出の責任をとるべきだろう、日本人ならば。

投稿: 齋藤 仁 | 2025年6月27日 (金) 07時53分

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