2025年1月10日 (金)

日本経済の未来…明るい最先端技術の展開!

 923回目のブログです。

20251101
      “祝日の美しい風景”
(日の丸が並ぶ熊本県菊陽町の鉄砲小路)

 “ 新しき 年の初めに 豊の年 しるすとならし 雪の降れるは ”
     (葛井連諸会:ふじいのむらじもろあい・万葉集)

 新しい年の初めに、豊かな稔りの前兆となるのでしょう。こんなに雪が降り積もっているのは…。

 かつては、元旦の大雪は豊作の予兆とされていました。

 新しい年があけました。今年こそは “豊の年”…日本経済の飛躍の年になることを期待したいものです。みなさまには、引き続きご支援をお願い申し上げます。

【今年の暦】を見てみましょう。

   令和7年    (年号)
   皇紀2685年 (神武天皇ご即位を紀元・BC660)
   巳       (十二支・巳)
   乙巳      (十干十二支・きのとみ/いつし)
   西暦2025年 (キリスト生誕を紀元)

 乙(きのと)は、十干の2番目で「木」の要素を持ち、草木がしなやかに伸びる様子や横へと広がっていく意味を持ちます。また巳(み・へび)は、神様の使いとして大切にされてきた動物で、脱皮を繰り返すことから不老不死のシンボルともされています。

 したがって、「乙巳(きのとみ)」の年は『再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく』年になると考えられます。

 とすれば、わが国の運勢は、失われた30年が、再生や変化を柔軟に繰り返しながら復活へと大きく高く飛翔することが期待できるのではないでしょうか。新年くらいは、陰鬱な石破首相の顔に目を向けるのではなく、明るい日本経済の未来に目を向けてはいかがでしょう。

 その観点から、最先端の技術の展開を展望してみたいと思います。(money voice勝又氏論稿を参考)

 社会が発展する大きな要因のひとつに技術開発の進歩にあり、この発展は直線的に進むものではなく「休止期」を経て段階的に発展して行くものです。失われた30年が自民党政治、財務省権力による歪められたものであったにせよ、革新的技術の進展により、時代は大きく変動していく気配を示しています。

【水素エネルギー】

 戦後、原発がエネルギー革命の担い手として登場しましたが、主役は石油や石炭の化石燃料がシェアーを占め、現在、これらから大量のCo2を排出させ環境に悪影響をもたらせています。

 そこで登場したのが無公害(二酸化炭素ゼロ)エネルギーの水素。究極の無公害エネルギーの水素製造法として、高温ガス炉(原子力発電の一種)が脚光を浴びています。高温ガス炉は、発電するだけでなく水素も製造する。一人二役です。

 わが国は、3月28日、温度850度で水を分解して水素を製造する「高温ガス炉」の実験に成功。また、OECDと共同で、次世代原子炉と期待される高温ガス炉(HTTR、茨城県大洗町)の安全確認試験を行いました。2028年には、水素製造試験を始める計画とのこと。いよいよわが国が水素社会へ門を開いたと言えるのではないでしょうか。

 モビリティの代表は自動車。水素をエネルギー源にする自動車は、燃料電池車(FCV)と水素エンジン車があります。いずれも、トヨタ自動車が世界の先頭を切って開発。2014年に、FCV「MIRAI」を発売。また、トヨタは水素を使う燃料電池(FC)システムを、2030年に年間10万台を供給できる体制を整えつつあります。水素時代への準備が、着々と進んでいることは間違いありません。

【光半導体】

 現在、技術の分野では数々の新分野が登場し、その中でもAI(人工知能)の普及は驚異的ですが、このAIは莫大なエネルギーを消費するため、電力供給が待ったなしと言われています。

 そこで登場したのが、世界初でNTTが開発した「光半導体」。NTTは、半導体内の電子処理を電気信号から光に置き換える「光電融合技術」を開発し、大幅な消費電力の削減を実現させるメドがついたと言われています。NTTは、この技術を核にして次世代通信基盤「IOWN」(アイオン: 最先端の光技術を使って、医療から金融、教育、交通、エネルギーまで、豊かな社会を創るための構想)の実用化を目指しています。

 2028年度に伝送容量125倍、2032年度に電力消費100分の1、を達成の見込み。つまり、現在よりも「125倍のデータ伝送」を「1%の電力消費」で行う夢の実現が間近にきているのです。

 膨張する消費電力を削減するには、光技術を使った半導体量産が不可欠であることは言うまでもありません。

 今、半導体の日本が復活と、動きが急速になってきています。半導体受託生産の世界最大手、TSMC(台湾積体電路製造)熊本工場は、2月に竣工。続いて第2工場、第3工場、第4工場は福岡県に。TSMC創業者である張忠謀氏は「日本は半導体製造に理想的な場所だ」と述べていますが、優位な点を要約しましょう。

 ・工業用水・水資源・工業用地・電力などが豊富
 ・専門技術者が多い
 ・設備・素材などの高い技術水準

※ 冒頭に掲げた“祝日の美しい風景”の写真は、TSMC(台湾積体電路製造)熊本工場のある、「熊本県菊陽町」の鉄砲小路の見事な風景です。

 ラピダスは、北海道千歳市へ工場を建設、日本の半導体技術が現在「40ナノ」レベルを、「2ナノ」を足がかりにして、さらに「1ナノ」へステップ・アップする壮大な計画を推進中です。

 「半導体日本」…時代のムーブメントが、日本へ向っているのです。

【量子技術】(量子コンピューター)

 量子コンピューターは、スーパーコンピューターが1万年かかる演算をわずか3~4分で終えることができる「異次元」の技術です。理研、阪大、富士通、NTTなどが開発。日本が、2023年3月に量子コンピューター1号機(「叡」えい)を稼働させたことは、日本衰退論を跳ね返す上で十分な材料になったと言えるでしょう。

 量子コンピューターは、原子や分子レベルの小さな物体の動きを観測することで、現状のセンサーでは計測できなかった微弱な信号や生体内の活動などを調べられるという。その結果、これまで不可能であったことが、解決可能としている。まさに「魔法の手」です。

 米ボストン・コンサルティングGは、量子コンピューターがもたらす経済価値を今後15~30年以内に、最大8,500億ドル(約122兆4,000億円)と予測。日本政府も、2030年に量子技術の国内利用者を1,000万人、同技術による生産額を50兆円規模に見積もっています。この数字によって、日本の量子技術に賭ける期待度がいかに大きいかを示していると言えましょう。量子技術によって、高付加価値化経済を実現できる道筋が生まれることを期待したいものです。

 最後に、今、わが国の政治は、観光立国で経済を支えようとしていますが、これはオーバーツーリズム(観光公害)に遭遇したり、常に不安定な状況に置かれたりすることを考慮しなければなりません。したがって、わが国の政策としては、「観光立国」ではなく技術立国に基底を置かねばならないと考えます。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年12月27日 (金)

令和6年を振り返る! 

 922回目のブログです。

202412271

“明日よりは 春の初めと祝ふべし 今日ばかりこそ 今年なりけれ”
            藤原公実(平安後期・後撰和歌集)

 あすからは春の初めと祝おう。今日だけが今年となった…。

 大晦日に詠った歌…。過ぎし一年も、今日が大晦日であれば、明日は元旦あっという間の一年であったことを思わざるを得ません。考えて見れば単純明快な分かりやすい和歌ですが、逆に、それだけにこの一年の悩みや苦しみが心の底に思い出される微妙な和歌でもあります。

 上記の和歌の時は平安。今は令和6年、いろいろありました。世界は各地で戦争が継続、核兵器の脅しも現実化しており、いわゆる平和というには程遠い情勢にあります。

 一方、わが国の政治、経済、社会は今までの状況が激変する姿を見せつけています。まさしく、時代の大きな「転換点」に差し掛かっていると言っても過言ではないと思われます。

 そこで、何はともあれ、数日後には大晦日、令和6年(皇紀2684年、西暦2024年、辰年)が過ぎてゆきますので一年を振り返ってみたいと思います。恒例のごとく、小ブログから反響の大きかったものを3点選びました。

① ドイツは「NO原発・YES風車」で経済マヒ!(5/17)

 (10/20)ドイツのフォルクスワーゲンは、国内工場を閉鎖することを検討していましたが工場閉鎖は回避し、3万5000人以上の従業員を削減することに労使間で合意しました。ドイツ経済はのっぴきならない大変な苦境に陥っていることが明らかになりました。

 ドイツは、現在【連立政権】(2021年12月発足)にあります。

    首班 社会民主党(SPD) 中道左派
       緑の党(Greens)環境左派
       自由民主党(FDP) 自由市場主義

 連立政権の首班は、社会民主党のショルツ氏ですが、政権は緑の党に引きずられ、環境重視へ、昨年4月から「脱原発」、今年4月には「7基の石炭火力中止」、そして、風力、水素、電気自動車重視などですが、これではドイツの産業は維持できません。

 現実問題として、ドイツは昨年の4月に原発が無くなって以来、電気代の大幅な高騰と供給不安で、経済が急激に傾き始めています。この原因は、過激なエネルギー・環境政策にあります。ドイツの経済・社会調査・政策研究を行うIfo経済研究所は3月の経済予測で、ドイツ経済は麻痺状態で悪化中とのこと。

 脱原発⇒脱石炭⇒脱産業へ。環境左派である「緑の党」は、経済がボロボロになっても脱炭素に固執するという本末転倒の事象が生じており、今の政府があと1年以上も続けばドイツはもうもたないとの危機感が急激に強まっていると報じられています。

 わが国も、きれいごとの環境イデオロギーからは距離を置き、折角の反面教師として「ドイツ」に学ばねばなりません。

② 石破首相に鉄槌…与党過半数割る!(11/1)

 10月27日、衆議院議員選挙(総選挙)が投開票され、与党が過半数を大幅に割り、国内政局は「動乱」含みとなりました。

 【衆議院議員選挙】(定数465・過半数233)
        (獲得数)(公示前)
  与党  自民 191 (247)
      公明  24 ( 32)
      (合計215)(279)  ※過半数に▲18
  野党  (合計250)(186)

 【比例代表 党派別得票数・率】

         (今回)         (前回)
  自民 1458(万票)26.7(%) 1991(万票)34.6(%)
  立民 1156    21.2   1149    20.0
  国民  617    11.3    259      4.5
  公明  596    10.9    711    12.3
  維新  510      9.3    805    14.1
  れいわ 380      6.9    221      3.8
  共産  336      6.1    416      7.2
  参政  187      3.4     ―       ―
  保守  114      2.1     ―       ―
  社民   93      1.7    101      1.7

 比例の数字を見れば、自民の凋落、公明の大幅減、維新の天井打ち、国民、れいわの大幅増が一目瞭然。それでは、自民党敗北の原因を考えてみます。

 ①石破首相のブレにブレた言行不一致の政治姿勢、②政治資金不記載の処理、及び、恣意的で不明朗な党内処罰、の2点。これはすべて「石破首相/森山幹事長」の責任と言わねばなりません。

 石破首相は「アジア版NATO」「金融所得課税」「日米地位協定の改定」などの重要な政策はすべて撤回。石破首相の無責任な「夢想家」を露呈しました。

 自民党執行部(石破・森山、裏の岸田)は、今回の総選挙の争点を「政治と金」一本にしました。彼らの個利個略、派利派略の浅ましい欲呆けの結果が今回の総選挙と言えるでしょう。

 この大敗北にもかかわらず、石破首相は責任を取らず続投とは、全く理解に苦しみます。まさしく無責任の極み、厚顔、人間性を欠く、恥ずべき存在といっても過言ではないと考えます。

③ 時代は動いている!…兵庫県知事・再選に思う(11/29)

 「パワハラ疑惑による知事の失職」に伴う一地方の兵庫県知事選が全国的に注目を集め、斎藤元彦前知事が再選となりました。

 斎藤知事の基本戦略は、20年に亘る井戸県政のタブーである隠れ負債に果敢に挑戦、県幹部の定年規定を厳正に適用、県立大学の教育無償化の実施、県庁舎の建て替え(当初700億円⇒1,000億円⇒1,200億円)を中止し、その予算を遅れた教育環境の整備などに回すことでした。

 これに対して「県議会」「県庁(含むOB)」「マスコミ」タッグを組み、斎藤知事にパワハラ、それによる幹部の自死、土産物収賄の疑惑を執拗に追及したのです。

 斎藤知事は、パワハラやおねだりを一切否定。また、百条委員会の証人尋問を通じて、知事のパワハラ、おねだりの証拠は明らかにならず、県庁職員のアンケートもほとんどが伝聞であり証拠能力はなしとの結論に至っています。

 そして、人事権者・県民局長の不倫行為の明瞭な資料が「公用パソコン」で発覚。その内容から、県民局長が自殺したのは、不倫(10年間で7人の乱倫)がばれることを恐れたからと考える方が合理的と言えるでしょう。

 ところが、百条委員会やOLDメディア (テレビ・新聞)は、多数の県民がその内容の公開を求めたにもかかわらず、強圧的に拒否、隠蔽しました。

 しかし、今の時代、youtube、SNSなどのNEWメディアが大活躍、自然に公用パソコンの内容が明かされ、県民の大多数がその内容を知る事になり、斎藤知事の無実(幹部職員の自死要因・パワハラ・おねだり)を認識しました。その結果、斎藤知事の再選となったのです。

 「隠蔽」を良しとする古い体質のマスコミ、県議会、県庁OB、「公開」を良しとするSNS、youtube、斎藤知事サイド。結果は、OLDメディア (テレビ・新聞)側の敗北、NEWメディア側の勝利、となりました。それにしても、OLDメディア・マスコミの傲慢な姿勢をyoutubeで見るにつけ、まるで暴力団並みとの印象を強く持ちました。

 最後に、今、時代は転換期を迎えているのではないでしょうか。今年の国内政治を総括すれば…。

  東京都知事選における石丸旋風
  自民党総裁選での高市旋風
  衆議院議員選挙での国民民主党旋風
  兵庫県知事選挙での斎藤旋風

 議会(政治家)への不信、既存メディアの敗北、……そして侮れないネットの威力、いよいよ時代の転換点に差し掛かってきたのではないでしょうか。来年の参議院議員選挙、あるいは、予想される衆・参同時選挙、冷静に考えて大動乱の予感がしますが…。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

 令和6年を振り返りました。みなさまには今年1年お付き合いいただき有難うございました。

 それでは、佳いお年をお迎えください。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年12月13日 (金)

「エンゲル係数」…42年前に逆戻り!

 921回目のブログです。

202412131

  “ 為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり ”
               上杉鷹山(江戸中期・米沢藩主)

 やる気をだしてやろうと思えば何事もできるものである。できる事もやらなければ出来ない。出来ないのはやろうとしないからだ…。

 何事も、やろうと決意して目標に向かうことが成就の第一歩になります…。

 上杉鷹山は、アメリカの歴史上最も有名な大統領のひとりと言われるジョン・F・ケネディから厚い尊敬を得ていました。鷹山は上記の著名な箴言以外にも下記のような言葉を残しており、昨今の混迷する政治に“喝”を入れてくれます。

   “ 国家は私すべきものでは無之候(これなく候)”

 今、臨時国会が12月21日まで開かれていますが、衆参の政治家には“国家を私せず”虚心坦懐にお国のために勇気を振り払って欲しいと願わざるを得ません。と言いますのも、厚生労働省の調査によれば、日本の59.6%の世帯が生活の苦しさを訴え、特に子育て世帯と高齢者世帯で深刻さが増しており、その解決には力強い政治家の突破力が強く求められているからです。

 実態を見ていきましょう。

 ・『生活が苦しい』:59.6% (昨年:51.3%)
    「大変苦しい28.5% + やや苦しい33.1%」

 このうち18歳未満の子どものいる世帯で「苦しい」と回答した世帯は、前年より10.3ポイント高い65.0%となり、高齢者世帯で「苦しい」と回答した世帯は、前年より10.7ポイント高い59.0%となり、「子どもの貧困」「老後難民問題」が大きな問題に上っていることは間違いありません。

 ・エンゲル係数28.1%の衝撃をごらんください。
  (TOKYO Web 2024/10/11より)

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  【エンゲル係数】
 家計の総消費支出のうち食料費が占める割合(ドイツの社会統計学者エンゲルが発表)一般に、所得が低いほど、生活に必要な食料費に多くの割合を費やすためエンゲル係数は高くなり、反対に所得が上昇するほどエンゲル係数は低くなる。⇒エンゲルの法則という。

 エンゲル係数という懐かしい用語に遭遇しました。そのエンゲル係数が42年前! の数字に逆戻りしているではありませんか。何という不様で情けない事実。上のグラフをご覧下さい。腹が立つやら、情けないやら。これは、失われた30数年、暗闇の30数年、劣後の30数年。⇒ そもそも30年もの長い間、賃金上昇が見られないことに問題があったと考えるべきであり、自民党、財務省、経済学者など国のリーダーは何を考えてきたのか、責任者出てこい! と言いたくなります。

 エンゲル係数、即ち、生活水準が42年前に舞い戻ったことに、驚きを隠せません。42年前と言えば、昭和57年(1982年)です。ほとんどの責任は政治にあると言っても過言ではありませんが、自民党「石破だらし内閣」の総選挙での与党過半数割れ出現と、国民民主党の国民目線での素晴らしい “玉木減税” 案により、その政治が良い方向に向かうかもしれません。これにより、日本人の貧困化を何としても食い止めなければなりません。

 生活の豊かさと言えば、給料から税金と社会保険料を引いた額、いわゆる “手取り額”、即ち、“人々の可処分所得” が増えることによる消費の伸びに影響されると思います。政党の掲げる政治課題として分かりやすいのが、国民民主党の“手取りを増やす ”減税案” です。ごらんください。

 ・“手取りを増やす” 国民民主党の減税案

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 玉木減税案は所得税「控除」の拡大を提唱。基礎控除最大48万円+給与所得控除最低55万円=103万円(年収の壁)。現在の103万円に引き上げられた1995年以降の約30年で、最低賃金が1.73倍に上昇したことから178万円をはじき出したものです。

 ガソリン減税は、ガソリン価格の上昇が一定以上続いた場合、ガソリン税を一時的に引き下げるトリガー条項と呼ばれる仕組みがあります。その「トリガー条項」を発動し、ガソリン税上乗せ分25.1円/1リットルの課税を中止するというもの。

 今、与党(自民・公明)と野党の一部(国民民主)がパーシャル連合を組み、減税案についてガチンコ交渉の最中。財務省・自民は再来年に引き延ばすとともに引き上げ額を極小にすることを狙っています(?)。12/11、自民・公明・国民の3党は、『年収の壁』『ガソリン税』に関しての合意書を交わしました。

  【合意書】

 いわゆる「103万円」の壁は、国民民主党の主張する
   178万円を目指して、来年から引き上げる

  ② いわゆる「ガソリンの暫定税率」は廃止する

 よく読んでみてください。多くの罠が仕掛けてありますね。『年収の壁103万円』は、金額も未定なら、来年のいつからかなども未定です。『ガソリン税上乗せ分』についても、いつ廃止するのか明記されていません。

 まだまだ予断は許せません。過去、合意破棄の裏切りの歴史は数々ありますから油断は大敵です。

 与党である、自民党や公明党は、従来と同じ我が世の春をうたいあげ、一般国民を無視した政策に固執しているようでは、次の選挙によって、再度、壊滅的な鉄槌が下されることになるでしょう。一般国民はそうそう甘くはありませんから。

 何はともあれ、『年収の壁』『ガソリン税』は素晴らしい減税策です。国民民主党には、財務省や、自・公には決して裏切られないよう熱いエールを送ります。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年11月29日 (金)

時代は動いている!…兵庫県知事・再選に思う 

 920回目のブログです。

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  “朝まだき 嵐の山の 寒ければ 紅葉の錦 着ぬ人ぞなき”
          藤原公任(平安中期・拾遺和歌集)

 朝がまだ早く嵐山のあたりは寒いので、山から吹き降ろす風のために紅葉が散りかかり、錦の衣を着ない人はいない…。

 紅葉の名所として有名な京都嵐山の晩秋の景観を詠んでいます。春は桜狩り、秋は紅葉狩り、毎年の恒例とはいうものの、その中に入ればいつ眺めても、自然の美しさに心が奪われてしまいます…。

 ところが、人間社会の動きは、今まさに「激動」という言葉に相応しい荒れようを示しているように思えます。例えば、11月17日投開票が行われた「パワハラ疑惑による知事の失職」に伴う兵庫県知事選について考えてみましょう。

 【兵庫県知事選:結果】

 斎藤 元彦(元総務省理事官)    1,113,911票(45.2%)
 稲村 和美(元兵庫県尼崎市長)    976,637票(39.6%)
 清水 貴之(元参議院議員)      258,388票(10.5%)
 大澤 芳清(尼崎医療生協病院長)    73,862票( 3.0%)
 立花 孝志(NHKから国民を守る党首   19,180票( 0.8%)
 福本 繁幸(レコード会社社長)      12,721票( 0.5%)
 木島 洋嗣(ニュース分析会社社長)        9,114票( 0.4%)
    投票率 55.7% (前回:41.1%)

 斎藤氏は、選挙戦当初は街頭でひとりぽっちの寂しい挨拶からスタートしましたが、中盤から勢いを増し、後半は街頭演説の聴衆も押すな押すなの大盛況、あれよあれよの劇的なトップ当選となったのです。結果的に、パワハラ疑惑をはねのけ、県民・市民の厚い信任を得たことになりました。

 斎藤知事の基本路線は、過去20年にわたる井戸前知事路線との明快な決別でした。

まず着手したのが地域整備事業と分収造林事業による、合計約1,500億円規模の「井戸時代の隠れ負債」の返済。これは、民間の乱開発を防ぐため、県が先回りして土地を買い取り開発した事業のことで、バブル崩壊後の地価下落で負債となっていました。井戸県政の「タブー」に果敢に挑戦したものとして注目されます。

県の外郭団体役員に対し、定年規定を「厳正に適用」。本来、県の内規では65歳定年のところ、井戸県政下で70歳以上にまで延長されていた慣行に、メスを入れました。これに県OBは反発。

県立大学の教育無償化の実施。教育無償化は大阪での維新の目玉政策で、齋藤知事も踏襲。若造に油を攫われたとして自民党文教族が猛反発しました。

県庁舎の建て替え(当初700億円⇒1,000億円⇒1,200億円に増額)を中止し、その予算を全国46位という遅れた教育環境の整備などに回すことにしました。これにも議会は、従来利権がうばわれることとして反発したのでしょう。

 上記の事柄などをバックグラウンドとして、兵庫県政(斎藤知事・県会議員・職員&OB・マスコミ&SNS・県民)に大きな『うねり』が生じたのです。経過をごらんください。

 3/12 西播磨県民局長が県会議員や報道機関などに匿名で
      齋藤知事のパワハラなど7項目に関する「告発文」を送付。
 5/07 県は内部調査を公表「事実ではない」との見解を示し、
        県民局長を停職3ヶ月の懲戒処分に。
 6/13 県議会が百条委員会を設置。
 ・7/07 県民局長が自殺。証人尋問の2週間前だった。
 ・8/30 斎藤知事が百条委員会に初出頭。
      「元県民局長の処分は適切だった」と主張。
 ・9/19 県議会で斎藤知事の不信任案が全会一致で可決
 9/30 斎藤知事が失職。
 ・11/17 県知事選投開票。斎藤氏が再選される。

 中央政界もガタガタ(日本の恥:石破首相の立ち居振る舞いのだらしなさを見よ!)ならば、それにならって地方政界もがたがた。そのポイントを指摘したいと思います。

 県議会で斎藤知事の不信任案が全会一致で可決したのですが、斎藤知事失職後の選挙で「再選」とは、まるで戯画(カリカチュア)! としか言いようがありません。少子は全く理解に苦しみます。このことを県会議員はどう考えているのか。

 ユダヤ人イザヤ・ベンダサン(山本七平)は『日本人とユダヤ人』で、「ユダヤ人の古い慣習では、全会一致の決議は無効としている」と記し、“全会一致の決定は場の空気が異論を封殺することで現出することが多い” と指摘しています。兵庫県の議員は田舎芝居ではなく知性ある議論をしてほしいものです。

 当初、斎藤知事の疑惑は、パワハラ(パワーハラスメント)と土産物収賄の疑惑でした。それをマスコミは面白おかしく、パワハラおねだりと称し、連日ワイドショーで視聴率稼ぎの材料にしました。そして、県民局長の自殺の原因を斎藤知事のパワハラにあると議会もマスコミも断定。本来、人の死というものはそんなに単純なものではなく、ましてや「自死」ともなればその因果関係には慎重に当たるべきことは言うまでもありません。

 斎藤知事は、パワハラもおねだりも否定し続けてきました。そして、百条委員会での尋問などのやり取りをめぐるなかで、県庁から支給されている県民局長の『公用パソコン』が俎上にのせられたのです。

 その内、公用PCの内容がどういう訳か漏れ出たのですが、それには戦慄すべき文章と画像が記録されていました。

  ① 一般的個人情報
  ② クーデター計画書(斎藤知事追い落とし)
  ③ 県民局長の不倫行為(乱倫・10年間7人の女性職員と)

 百条委員会の証人尋問を通じて、知事のパワハラ、おねだりの証拠は明らかにならず、県庁職員のアンケートでもほとんどが伝聞であり証拠能力はなしと言わざるを得ません。

 そして、ここで大問題が発生しました。人事権者:県民局長の不倫行為の明瞭な資料が発覚しました。ここで当然考えられるのは、県民局長が自殺したのは、不倫(乱倫)がばれることを恐れたからであり、決して単なるパワハラではなかったのではないかと考えるのが合理的だと考えます。

 百条委員会に尋問された副知事は、公用PCに記録された県民局長の不倫行為については、個人情報の範囲を考慮しつつも、広く県民に公開すべきであると強く主張しましたが、何と、百条委員会の奥谷委員長や、読売新聞記者朝日新聞記者NHK記者は、まるで脅すように、激しく拒否しました(youtubeをごらんください)。信じられません。まるで議会とマスコミがタッグを組んでいるかのように見えます。

 さて、このような雰囲気の中で選挙活動が行われましたが、立花孝志候補(NHKから国民を守る党党首)の、斎藤候補は悪くない、パワハラ・おねだりの証拠は無い、県民局長の自殺要因は自らの不倫関係が要因ではないのか、など、力強い名演説が連日県民の目と耳を引き付け黒山の人だかりを見せました。

 これをきっかけに、勢力は次のように明確に分かれました。

   古い体質利権・県議会・県庁OB・マスコミ(隠蔽)
   斎藤元彦前知事・SNS(youtube)   (公開)

 特に威力を発揮したのが『youtube』。その力をご覧ください。

  ・斎藤元彦の公式チャンネル   再生回数    119(万回)
  ・立花孝志(NHK党党首)動画                1499
      ・                  切り抜き動画                1299
  ・「虎ノ門ニュース」                    554
  ・高橋洋一教授                          201
                  (11/18毎日電子版)

 今回の兵庫県知事選を見て感ずるのは、SNS、特にyoutubeの威力をまざまざと見せつけられたことと、大手メディアのイデオロギーありきの傲慢な姿勢です。自ら発信してきた嘘に気づいているにもかかわらず事実を隠蔽し保身に走ろうとする姿勢は、誠実さの欠片もない極めて歪な存在だと言わざるを得ません。

 これらをまとめて眺めれば、今、時代は急速に動いているように思えてなりません。今年の国内政治を総括すれば、

  ① 東京都知事選における石丸旋風
  ② 自民党総裁選での高市旋風
  ③ 衆議院議員選挙での国民民主党旋風
  ④ 兵庫県知事選挙での斎藤旋風

 マスコミ不信、議会不信、大手メディアの敗北、……そして侮れないネットの威力、いよいよ時代の転換点に差し掛かってきたのではないでしょうか。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

 ご意見をお聞かせくだされば幸いです。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年11月15日 (金)

米・大統領選…トランプ氏圧勝!

 919回目のブログです。

202411151

“時ありて 花ももみぢも ひとさかり あはれに月の いつもかはらぬ”
               藤原為子(鎌倉・風雅和歌集)

 花も紅葉も、それぞれに決まった時期があって、盛りはひとときだ。ところがあわれ深いことに、月はいつも変わらぬ姿で空にあることです…。

 さまざまに咲き、散る人生。それを思う時、ひとり「月」はいつも変わらない姿で空にあることにあわれを感じさせます。

 有為転変は時の流れと申しますが、先月はわが国においては総選挙が行われ、与党が総崩れ、政局は混乱の極みの様相を示しており、一方、海を渡った米国では今月になって大統領選挙が行われ、マスメデイアの空虚な予想に反して、トランプ前大統領が圧勝するという場面となっています。

 そこで、アメリカ合衆国の大統領選について見ていきましょう。

 【大統領選の結果】
               選挙人数       獲得票数
  トランプ氏(共和党) 312人(58.0%) 7465万票
  ハ リ ス 氏(民主党) 226人(42.0%) 7091万票
        (※過半数270人)

 選挙人の過半数が270人であり、トランプ氏が圧勝となりました。加えて、上院も過半数確定、下院も過半数確保の予定であり、共和党のシンボルカラー赤色になぞらえて『トリプルレッド』の大勝利となりました。

 接戦州の7州を制するかどうかが勝負のわかれ目と言われていましたが、ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン、ノースカロライナ、ジョージア、ネバダ、アリゾナの接戦、激戦7州においてトランプ氏が全勝したのです。見事と言わなければなりません。

 それでは、予測では歴史的な大激戦と言われていたのが、なぜ、共和党トランプ前大統領の地滑り的圧勝になったのか見ていきましょう。

 カマラ・ハリスは、従来のような多くの候補者の中から一人の候補者に選ばれたのではなく、バイデンの支持により多くの候補者との対決を経ずに民主党の大統領選の候補者になったのです。したがって、「台本」が無いと話ができないという致命的な能力不足が露呈しました。

 共和党は、有権者であることを証明するIDの確認を徹底するなどの不正選挙の防止策を強化。(米国では投票にあたっては有権者登録が必要)

 前回の大統領選では、SNSでのトランプ側の情報発信は厳しく制限され、トランプ自身がTwitterから排除されて、情報発信できなくなっていました。今回は、イーロン・マスクがTwitterを買収し、Twitter⇒X、になり、自由な言論空間が確保され、トランプ氏も情報発信が思いのまま出来るようになりました。同じように、Facebookもザッカーバーグが詫びを入れ、トランプは自由な言論活動が可能になりました。トランプ陣営にとっては大きなプラスです。

 トランプ氏勝利の主要な要因のひとつに経済問題が挙げられます。まず、雇用問題ですが、現在の失業率は歴史的に低く、完全雇用と言われる地域も多い。しかし、フルタイムの高給が得られないために、サービス産業で働く若者が多く、人々の心理としては満足には程遠い状況です。したがって、新卒採用の環境や再就職、転職も厳しく、若者の不満は拡大しています。加えて貧富の顕著な格差。

 次に、経済の問題に対する問題は「インフレ・物価高」。ウクライナ戦争を契機としてエネルギーのコストが上昇、高騰した運送費が価格に転嫁。さらに、人件費の高騰があります。わが国では考えられないのですが、ファストフードを含む外食のコストは、コロナ禍前の150%~200%と顕著になっています。ニューヨークでは、ハンバーガーに飲料をつける昼食代が20ドル(3000円以上)というのが常態化しているようです。

 経済に自信を示すのがトランプ氏です。雇用と物価の沈静化に言及したのがトランプ、最新の生活実感の肌感覚から乖離したのがハリス。イデオロギーを超えた国民の切実な要望が経済問題であるとすれば、それに応じたトランプには余裕があり、ハリスは弱点を晒したと言えるのではないでしょうか。

 人種問題については、トランプ氏は相変わらず差別的発言が続きました。ところが「ハイチ移民が犬猫を食べている」「プエルトリコはゴミの島」などの今回の発言は、“エンタメ芸”として受け止められ失点とはならなかったのです。

 そんな中で、ハリス氏の票は、決戦州のジョージア州、ペンシルベニア州では、黒人票も、ヒスパニック票も、4年前のバイデン氏ほどの集票に至らず、これでは、決選州が全てトランプ氏となり、トランプの勝利につながりました。

 アメリカでの不法移民の大量流入は深刻な社会問題と言わねばなりません。バイデン政権の発足当時、米国にいる不法移民の数は推定1,100万人程度。それが、バイデン政権下で米国に入国した不法移民は730万人、法執行を逃れた「逃亡者」として知られる推定180万人を足すと910万人。1,100万人+910万人=2,010万人≒2,000万人

 このまま不法移民を青天井に受け入れ、野放しにしていたら、アメリカ合衆国はどうなるのでしょうか。民主党、共和党、の考え方は下記の通りですが、わたしは、アメリカ合衆国の崩壊を招く恐れのある「国家」の重大事と考えます。どうにも、民主党の不法移民青天井受け入れ策は理解できません。

 『民主党』:米国の繁栄への究極の方法は1,100万人ともされる不法入国者に市民権を与え、米国に貢献させることだ(民主党上院・シューマー院内総務)

 『共和党』:不法入国者は民主主義の敵である。不法入国者は速やかに強制送還する。不法入国者の投票防止策を講ずる。不法移民の流入を防ぐため国境の壁を建設する。(トランプ前大統領)

 ・日米のマスメデイアでは、日米両方で「大接戦」と予想していましたが、結果はまるで異なりました。トランプ氏に対しては「民主主義の敵」「ヒトラー」「嘘つき」というヘイトスピーチのオンパレードですが、これはまさに反トランプ錯乱症(TDS:Trump Derangement Syndrome)と言わねばなりません。大統領候補者トランプ氏に投票した米国民7,465万人の人々に対して余りにも失礼ではないでしょうか。品性を疑いたいと思います。

 わが国マスメデイアの偏向の要因は米国のメデイアの偏向をそのまま受け入れていることにあります。右派・共和党系はFOXNEWSのみ、左派・民主党系はHAFFPOST、MSNBC、NEW YORKER、the new york times、VOX、abcNEWS、Bloomberg、CBS NEWS、CNN、The Guardian、NBC NEWS、POLITICO、TIME、USA TODAY、yahoo! News、…。

 さて、先日、石破首相が、トランプ次期米国大統領に、大統領当選の祝福の電話を掛けました。その時間が双方の通訳を含め、合計で5分間………。お互いに同盟国ですから胸襟を開いて緊密さを内外にアピールしてほしいものです。

 内政、外政、共に多事多端わが国の舵取りはどうなるのでしょうか。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年11月 1日 (金)

石破首相に鉄槌…与党過半数割る!

 918回目のブログです。

20241111

 “あをによし 奈良の都に たなびける 天の白雲 見れど飽かぬかも”
                   詠み人知らず(万葉集)

 美しい奈良の都の大空に棚引く白雲、あの白雲はいくら見ても見飽きることがない…。

 「あをによし」は奈良の枕詞。本格的な秋空になってきました。その秋空を眺めて見れば、青い空にたなびく白雲の美しさには目を奪われます。古の奈良の都の時も、令和の今日も秋空の美しさに変わりはないのでしょうが、地上における人間模様は大きく違っているのかも知れません。

 10月27日、衆議院議員選挙(総選挙)が投開票され、与党が過半数を大幅に割り、国内政局は動乱含みとなりました。

◎獲得議席数の結果は次の通り。(定数465・過半数233)

         (獲得数)(公示前)
 与党    自民 191 (247)
       公明  24 ( 32)
       (合計215)  ※過半数に▲18
 野党・他  立民 148 ( 98)
       維新  38 ( 44)
       国民  28 (  7)
       れいわ  9 (  3)
       共産   8 ( 10)
       参政   3 (  1)
       保守   3 (  0)
       社民   1 (  1)
       無・他 12 ( 22)
       (合計250)

◎比例代表 党派別得票数・率

         (今回)         (前回)
  自民 1458(万票)26.7(%) 1991(万票)34.6(%)
  立民 1156    21.2   1149    20.0
  国民  617    11.3    259      4.5
  公明  596    10.9    711    12.3
  維新  510      9.3      805    14.1
  れいわ 380      6.9    221      3.8
  共産  336      6.1      416      7.2
  参政  187      3.4     ―      ―
  保守  114      2.1       ―      ―
  社民   93      1.7    101      1.7

 数字を眺めると、自民は247⇒191と▲56の大幅減、公明も32⇒24と▲8の大幅減。与党は完敗、壊滅的敗北というべきでしょう。一方、立民は98⇒148と◎50の大幅増、国民は7⇒28と、これまた◎4倍の大幅増。維新は44⇒38と不振。

 比例代表の数字を見れば、自民の凋落、公明の大幅減、維新の天井打ち、国民、れいわの大幅増が目立ちます。

 何故、このような結果となったのでしょうか。石破首相は、敗北の原因は、自民党一部議員の政治資金不記載(俗に裏金という)が国民の怒りを買ったのだと述べていますが、果してそうなのかどうか、良く考えて見たいと思います。

 結論的に言えば、自民党敗北の原因は、石破首相のブレにブレた言行不一致の政治姿勢、政治資金不記載(裏金)の処理、及び、恣意的で不明朗な党内処罰、の2点にあったのではないかと考えます。これは、すべて「石破首相/森山幹事長」の責任と言わねばなりません。

 ・ “ 衆議院解散日の設定 ” について、石破首相は、「全閣僚出席型の予算委員会というものを一通りやり、国民の判断材料を提示し、決して国民に不誠実な態度だけは取りません」と繰り返し述べたにもかかわらず、予算委員会も開かず、超早期の解散を行ったのです。開いた口が閉じられないとはこのこと。国民はバカではない、舐めるなと言いたい。

 「アジア版NATOをつくる」「金融所得課税」「日米地位協定の改定」などの重要な政策はすべて撤回。石破首相は高尚な理想を語っていると自負しているのでしょうが、政治家の理想は現実化してはじめて評価されるものです。石破氏のビヘイビアは、無責任な「夢想家」と断じざるを得ません。いい加減にしてほしいものです。石破首相の政治課題が何なのかは皆目不明、政治家の風上にも置けない言行不一致を露呈しています。こんなに“信”の置けない政治家は、わたしの永い人生で見たこともありません。

 自民党執行部(石破・森山、裏の岸田)は、今回の総選挙の争点を政治と金一本にしました。立憲民主党などの野党にしてみればこんなに美味しいテーマはありません。マスコミも援護射撃してくれ、掘れば掘るほど粗が出てくる可能性もあり、立民などにマイナスはほとんどゼロです。これを争点にした自民執行部の個利個略、派利派略の自らまいた浅ましい欲呆けの結果が今回の総選挙と言えるでしょう。

 本来ならば、国民のために、自民党のために、国家のために、という観点で選挙対策を練るべきであり、永年の怨念や他派征伐としての術策から有益なものは生まれてきません。

 政治資金不記載の件について。東京地検に立件起訴された、安倍派、二階派、岸田派それぞれの会計責任者についてはこれで法的には決着させる。(自民党議員の処理は)不記載分はすべて「使途不明金」として、延滞分も含めた税金を納税することとする。…とすれば、何の問題もなかった。税金をごまかそうとする卑しい心根が政治家の足元をすくうことになったのです。

 選挙戦の最後に自民党の足元を掬ったのはしんぶん赤旗の驚愕のスクープ。自民党が、裏金問題で非公認とした候補者が代表を務める党支部に、公示後になって2,000万円を振り込んでいたと報じたのです。

 いわゆる裏金議員を非公認にすると決めたのは、総選挙の直前に開かれた石破首相・森山幹事長・小泉選対委員長の会議。その時に2,000万円の活動費の支給を、『岸田前首相の方針』として引き継ぐことに決まったのです。

 裏金に反省の色がない自民党。国民が、使途不明金、脱税、に疑惑を持っている時、2,000万円という大金を燃料投下、めらめらと燃え盛るのは誰が見ても想像がつくもの。石破・森山・岸田各氏の感受性の無さにはあきれてものも言えません。政治家なんてやはり極めて鈍感な人達なのでしょうか。

 石破総理へ。虚ろな目と猜疑心ありありの顔、その陰鬱な表情はもう見たくもないという、わたし達国民の評価が、今回の総選挙に表れたものではないでしょうか。即刻、内閣総理大臣を辞任して頂くことが国民の負託にこたえることになるものと考えます。

 石破総理は壊滅的な大敗を喫した翌日、記者会見で何と続投を示しました。総理自身が設定した与党過半数(233議席)という勝敗ラインを割り込む大敗の責任をとらずに、政権に居座ろうとするのは大いなる間違いであり、潔く辞職すべきです。選挙は「信」を問うものであり、不信任となれば、正統性はないという最大の審判が下されたことになります。憲政、選挙の常道に従うべきではないでしょうか。

 石破総理! 日本国民のトップとしての矜持を示すべきです。速やかに決断のほどを。日本国民の全てがそれを待っています。

 加えて公明党も惨憺たる有様。議席数は32⇒24、▲8と大幅減。比例についても、前回711万票⇒今回596万票、▲115万票と大幅減。さらに、石井啓一代表、佐藤茂樹副代表も落選するとは、創価学会の高齢化による弱体化著しく、「公明党」そのものの政界からの引退を検討する段階に来ていることを示唆していると思われます。

 最後に、悠久の歴史のなかの今日、この秋の清涼な季節において、万葉集に繋がる青い空と白い雲を虚心坦懐に眺めるためにも、落ち着いた政治(まつりごと)が行われる地上であってほしいと願うものです。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年10月18日 (金)

石破内閣に「信」はあるか‥衆議院選に問う!

 917回目のブログです。

202410181

 “鳴き弱る 籬の虫も 止めがたき 秋の別れや かなしかるらむ
             紫式部(平安中期「紫式部集」)

 (詞書)その人、遠きところへ行くなり。
     秋の果つる日来たるあかつき、虫の声あはれなり。

 垣根のキリギリス(コオロギ、鈴虫などを含む)の鳴き声が弱まっている。それにつけても秋の別れを止めることは出来ないものだなあ…。

 朝晩は涼しさを増し、凌ぎやすい気候になってきました。それにしても、もう10月の中旬ですから本格的な秋となってもおかしくありません。

 ところで、秋の虫の音を美しいと思うのは、日本人とポリネシア人のみであり、わたしたち日本人は「左脳」で認知するため、「美しい」と感ずるようです。欧米人は、虫の音を「右脳」で認識するため、「雑音」として聞き流してしまうと言われています。日本人の繊細さがここでも発揮されていると考えれば生まれつきの幸運を喜びたいものです。それにしても、秋をもっとゆっくりと鑑賞したいものです。

 さて、いよいよ総選挙(衆議院議員選挙)が行われますが、新しく総理大臣になった自民党の石破茂総裁の発言がブレにブレぶれ、物議をかましていますので、注目したいと思います。

(1)衆議院解散日の設定

 解散時期について、石破氏は「国民の皆さんでご判断いただく材料はきちんと提供し、国民に向かって不誠実な態度だけは取りません」(9/27)、「全閣僚出席型の予算委員会、そういうものを一通りやって、この政権は何を考えているのか、何を目指そうとしているのかということが国民の皆様方に示せた段階で、可能な限り早く信を問いたい」(8/24)

 それが、あろうことか、石破氏は、解散は10月12日、選挙は10月27日と決定。そして、全閣僚出席型の予算委員会を開き国民に向かって目指すところを示すという誠実な態度は一切示さず、国民を裏切りました。

 組閣(大臣の任免)と解散(議員の任期停止)は、首相のもっとも重要な2つの仕事ですが、解散の日程を決めることができなかった石破氏は実質的な首相権限をもっておらず、決めたのは、森山幹事長と言われています。何たる不様なことでしょうか。

(2)日銀の独立(金融オペレーションに政府は関与しないこと)

 植田日銀総裁と会って、当面、緩和的に(=利上げをせず)にいくとして、日銀の金融政策に関与。

 日銀の株式は、財務省が55%を持つので、政府の連結子会社です。総裁・副総裁も政府が任命。これを見れば、日銀が政府から独立しているのというのは、国民向けの嘘です。その嘘を、自分が就任したあと株価が下がって選挙に悪影響があるということから金融筋が予想していた12月利上げ(8月以来の0.25%→0.50%)はなく、0.25%の緩和のままとして、前言を撤回しました。

(3)「アジア版NATOをつくる」

 石破首相は「所信表明演説」で触れず! どういうこと?

(4)「金融所得課税」

 これも「所信表明演説」で触れず! やる気なし どういうこと?

(5)「日米地位協定の改定」

 これも「所信表明演説」で触れず! どういうこと?

(6)「政治資金不記載」(いわゆる裏金問題)に関して

 「政治資金不記載」については、派閥として東京地検に立件起訴されたのは、安倍派、二階派、岸田派それぞれの会計責任者です。

 そして、4月4日、自民党の処分としては下記のとおり。

    離党勧告         2名
    党員資格の停止(1年間) 2名
       〃   (半年間) 1名
    党の役職停止(1年間)  9名
       〃  (半年間)  8名
    戒告          17名 (合計39名)

 加えて、今回の総選挙においての収支報告書 不記載自民党前議員に対する処罰は下記のとおりとなりました。

   党から公認されず、無所属で立候補   10人
   党から公認も、重複立候補認められず  34人

 党執行部である、石破(総理)・森山(幹事長)・小泉(選対委員長)は、基本的に『どんな事情があったとしても収支報告書に記載されるべきものが記載されていない以上は、何もしていない議員とは同列には扱えない』と合意したうえで、「不記載があった議員を公認する場合は,比例での重複立候補は不可とする」「特定の条件を満たす議員については公認を認めない」と決定。上記のような線引きとなったものです。

 これに該当する前議員のほとんどは清話会(いわゆる安倍派)、彼らの怒りはすさまじく選挙後は大変な抗争になるのではないでしょうか。

 しかし、不記載(いわゆる裏金)は、岸田氏の派閥や石破氏においても生じており、彼らは「単純なる事務的なミス」だとして逃れようとしていますが、それは “ダブルスタンダード” “不誠実” “不道徳” というものではないでしょうか。

 それにしても、石破首相は、BBS(ブレ/ブーメラン/スキャンダル)、変節の名手、すべてにブレブレ、こんなに言葉の軽い総理大臣を見たことがありません。『綸言汗の如し』(天子の言葉は、出た汗が体内に戻らないように、一度口から出れば取り消すことができない)という言葉もあります。言行不一致もいいところ、私たち国民を見下げないでいただきたいものです。

 失礼ついでに。石破総理は、重要閣僚である総務大臣に村上誠一郎氏を抜擢しました。村上氏は安倍首相の国葬の折、故安倍晋三元総理大臣に対して国賊” と罵倒し、役職停止1年の処分を受けた経緯があります。このような非礼極まりない人物を重要閣僚に抜擢する石破総理は、人間として正常な判断力を有しているとは思えません。正常な心をお持ちになり、わたし達国民を舐めないでいただくことを切望します。

 さいごに。総選挙の結果がどのようになるのか、10月27日の投開票日を待ちたいと思います。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
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2024年10月 4日 (金)

自民党総裁選…異聞!

 916回目のブログです。

20241041

 “すむとても いくよもあらじ 世のなかに 曇りがちなる 秋の夜の月”
              藤原公任(平安中期・三十六歌仙)

 仲秋の八月、月が雲に隠れたのを見て詠んだ歌。

 月がよく澄むといっても幾夜もあるまい。雲に隠れて光を失うことの多い秋の夜の月なのだ…。(人がこの世に住むといってもそう長くはあるまい。人生もいろいろ支障が多く心身をそこなうものだ)。

 

 漸く秋の肌寒さを感ずる季節になりました。それでも、日中は夏日を示す日々が続いており、今年の天気予報では秋が短いそうで、紅葉のタイミングを上手く選び、今年こそは情趣に富む紅葉狩りと行きたいものです。

 9月27日、候補者が9名も立候補するという狂騒の自民党総裁選の投票が行われ新総裁が選出されました。

 まず、総裁選の結果を見てみましょう。

 【開票結果】(有効投票総数735票)

         (議員票)(党員票)   (合計)
 高市早苗    72   109   181
 石破 茂    46   108   154
 小泉進次郎   75    61   136
 林 芳正    38    27    65
 小林鷹之    41    19    60
 茂木敏充    34    13    47
 上川陽子    23    17    40
 河野太郎    22     8    30
 加藤勝信    16     6    22

 ※過半数獲得者なしにより、上位2名で決選投票。

 【決戦投票結果】(有効投票総数409票)

       (議員票)(都道府県票)(合計)
 石破 茂   189    26   215
 高市早苗   173    21     194

 さて、ここで総裁選の異聞を記してみたいと思います。

 1回目の投票で、高市早苗氏がトップでしたが、決選投票で石破茂氏に逆転されました。高市氏を支援した純粋保守派はもとより、高市早苗さん自身も悔しい思いをしたのではないかと思います。この裏にどのような工作やかけひきがあったのでしょうか。

 投票日の2~3日前から、決選投票について、反高市のグループが、高市氏に投票しそうな議員に対して、「中国が右派の高市に反発している。公明党・学会は高市を支持する議員には選挙協力はできないと言っている。落選してもいいのか…」との恫喝まがいの言葉を吐いているとのうわさが広がっていました。中国共産党の動き、それを受けた自民党媚中派の動き、怖いですね…。

 アメリカの高官が、高市氏の靖国参拝に厳しい異議を唱え、内政干渉を積極化していると言われています。確かに、過去何度も、アメリカは日本の政治に容喙(くちばしをいれること)してきましたし、また、それを許してきました。その意味では「日本」は半人前の独立国と言うべきかもしれません。

 そもそも、今回の新総裁選びは、不承々々退任する岸田首相の言葉によれば、自民党の「刷新感」を醸し出すことでした。

    女性ならば ⇒ 高市早苗さん、上川陽子さん
    若手ならば ⇒ 小林鷹之氏49歳、小泉進次郎氏43歳

ではなかったのでしょうか。ところが、ふたを開けて見れば、岸田首相は、古いイメージのベテラン石破茂氏を自分が率いる旧派閥ぐるみで推し…。そのうえ、岸田首相はキングメーカーに鎮座するという、したたかなやり口、まさに口あんぐり、公よりも私に傾き過ぎていると言わざるを得ません。

 最下位の加藤勝信氏の得票をご覧ください。議員票で16票しか投票されていないんです。候補者は立候補するためには20人の推薦人を集めなければなりません。得票数の中には、候補者加藤氏の1票がふくまれていますので、5人が加藤氏に「背信」したことになります。義理も人情もなく、誠実さも真摯さもない人間の屑とも言える自民党議員が少なくとも5人は存在することは明らかです。加藤氏に投票しないのであれば推薦人になるべきではありません。国会議員は公的存在ですから。

 決選投票で石破氏215票、高市氏205票。石破氏の投票数から僅か11票が高市氏側に留まっていれば高市氏が当選していたことになります。

 その点を考えるうえで、高市早苗さんの選挙参謀を担った選挙の神様藤川晋之助氏の発言は示唆に富んでいます。(ユーチューブチャンネル「選挙ドットコム」より)

 決選投票直前の石破氏と高市氏の演説について「2人ともあまり格調高くないなと思った。1番注目される時ですから。これが歴史に残る言葉だから、党員がグッとくるキーワードが少なかった」と苦言を。

 藤川氏は「彼女は日本初の女性総理の実現ということを一切使わないんです。上川陽子さんはずっと言ってた。(高市氏は)男女関係ない。能力のある人が頑張るべきというのが彼女の思想。それはいいんだけど。

 一般大衆に訴えるのに女性初の総理というのは、あの時こそ言って。
  “日本が変わっていく大きなきっかけになる。
  “私はその使命を背負ってる。

ぐらいのことを言ってたら、もうちょっと違ってたかな」と悔やんでいます。

 悔やんでも悔やみきれない票差ですが、捲土重来を期していただきたいと切望します。

 最後に、9/27日の新総裁選出後の会見で石破氏は、解散時期について「国民の皆さんでご判断いただく材料はきちんと提供し、国民に向かって不誠実な態度だけは取りません」

 8月には、「全閣僚出席型の予算委員会、そういうものを一通りやって、この政権は何を考えているのか、何を目指そうとしているのかということが国民の皆様方に示せた段階で、可能な限り早く信を問いたい」

 「総理に就任したら衆議院を解散する前に国会で全ての閣僚が出席して質疑を行う予算委員会を開催する」と繰り返し述べていたのです。

 ところが、あろうことか、9/30日、石破氏は、衆院を早期解散し10月27日に投開票を行うことを表明したのです。国民を無視、党内を優先。何と、わずか3日での手のひら返し

 新総理大臣・石破茂氏は、しょっぱなから国民を裏切りました。

    『民信無くば立たず』(論語・顔淵)

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
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2024年9月20日 (金)

自民党総裁選…石破・高市・小泉の接戦?

 915回目のブログです。

20249201

 “世の中は なにか常なる 飛鳥川 昨日の淵ぞ 今日は瀬になる”
              詠み人知らず(古今和歌集)

 この世の中は、いったい何が変わらないのか、不変のものは何一つない。飛鳥川の流れも昨日淵であった所が今日はもう浅瀬に変わっている…。

 世の中の移り変わりが速いことを詠んだものです。

 季節はもう秋という絶好の時を迎えているにもかかわらず、世のなかは、自民党総裁選で盛り上がり、ヒートアップも尋常ではなく、未だに暑い日々が続いています。

 9月12日、総裁選の告示日に、何と9人という多数の候補者が立候補しました。いままで人材が不足していると指摘されてはいましたが、老若男女、左派リベラルから右派保守系まで、この9人、ある意味でバラエティに富んでいるのではないでしょうか。

 ここで、信頼性の高いと言われている情勢調査を見てみましょう。

 【党員・党友:日テレ情勢調査:JX通信社】
      9月5日(告示日前)

  石破 茂(元幹事長67)    28(%)
  小泉進次郎(元環境相43)   18
  高市早苗(経済安全保障相63) 17
  上川陽子(外相71)       7
  小林鷹之(前経済安全保障相49) 5
  林 芳正(官房長官63)     4
  河野太郎(デジタル相61)    3
  青山繁晴(参議院議員72)    3
  茂木敏充(幹事長68)      2
  加藤勝信(元官房長官68)    2
  野田聖子(元総務相64)     1
  斎藤 健(経済産業相65)    0

 【党員・党友:日テレ情勢調査:JX通信社】
        9月13日(告示日後)

  石破 茂(元幹事長67)    25(%)
  高市早苗(経済安全保障相63) 22
  小泉進次郎(元環境相43)   19
  上川陽子(外相71)       9
  小林鷹之(前経済安全保障相49) 5
  林 芳正(官房長官63)     5
  河野太郎(デジタル相61)    3
  茂木敏充(幹事長68)      3
  加藤勝信(元官房長官68)    1

 JX通信社は選挙情勢調査では定評があります。

 小子は、いつも疑問に思っているのですが、自民党の総裁は自民党の党員・党友が選ぶものであり、マスコミは、支持率調査に関しては一般有権者ではなく、自民党員・党友を対象に調査すべきではないのでしょうか。そう考えれば、上の日テレが委託したJX通信社の情勢調査は党員・党友に限っての調査ですから、妥当な調査とみることができます。

 告示日前と後では、上位の順位が大きく変わり、告示日後では、①石破茂、②高市早苗、③小泉進次郎、となっていることに注目しましょう。

 マスコミの従来の一般国民の情勢調査では小泉進次郎氏を最有力視していましたが、それが崩れつつある理由を考えて見ます。

聖域なき規制改革として「整理解雇」の要件緩和をかかげましたが、進次郎氏以外の候補者から総スカンをくらい、「緩和ではなく見直しだ」と大幅にトーンダウン。メインの政策を4日で引っ込めるなんて、出鱈目、軽薄の誹りを免れません。ネットでは「前言撤回が早すぎる」「言葉が軽すぎる」「やっぱり知的レベルが低い」など非難囂々。もう、小泉発言はボロボロ、これでは米国大統領、プーチン大統領、習近平主席などと肩を並べられないのではないか。

選択的夫婦別姓を積極的に推進し1年以内に結論を出す」と明言したことで、小泉支持者の党員が大幅に離反したと判断されています。

いわゆる「進次郎構文」の不明朗さと幼稚さ。語彙力の低さが露呈して、情報としての機能を為していない言葉が多い。(たとえば、上川外相から、首相になれば来年のカナダG7サミットで何を発信するのかと問われて)「トルドー首相が就任した歳が43歳で、わたしは今、43歳だ。トップ同志が胸襟を開き、新たな未来志向の外交を開いていく」また、他の構文では「政治に無関心であることは政治に無関心のままでいられる」…など、とほほという以外の言葉しかありません。

自民党が小泉氏を総裁(総理)に担ぎあげようとするのは国民に対して不誠実な対応と言わねばなりません。若さに優れたものがあると言ってもものには限度があるのではないか。

 失われた30年を取り戻すには、積極経済が求められます。この観点から、企業経営者サイドから見た自民党総裁候補者を上げてもらったデータをご覧ください。

 【自由民主党の総裁選挙について:東京商工リサーチ】9月9日
 日本経済・貴社ビジネスの発展に寄与すると思うのは誰ですか

  高市早苗(経済安全保障相63) 24.3(%)1,447(社)
  石破 茂(元幹事長67)    16.9   1,005
  小泉進次郎(元環境相43)    8.3     492
  青山繁晴(参議院議員72)    6.2     367
  小林鷹之(前経済安全保障相49) 5.2     310
  河野太郎(デジタル相61)    4.8     286
  林 芳正(官房長官63)     4.0     239
  上川陽子(外相71)       3.1     186
  茂木敏充(幹事長68)      2.6     156
  斎藤 健(経済産業相65)    1.4      83
  加藤勝信(元官房長官68)    0.6      35
  野田聖子(元総務相64)     0.5      29
   寄与すると思う人物はいない  21.7

 増税路線にSTOP! を掛けるのは下記の2氏のみ。

     茂木敏充(幹事長)    『増税ゼロ宣言』を
   高市早苗(経済安全保障相)『積極財政路線』を

他の方は増税論者です。したがって、失われた30年を取り戻し、成長路線に引き戻すには大変勇気ある人物でなければならないと思います。

 さあ、果たして誰が日本丸の船長に選ばれ、荒れ狂う大海原を無事航海できるのでしょうか。期待を込めて、政局を見守りたいと思う次第です。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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2024年9月 6日 (金)

岸田首相の“功”と“罪“!

 914回目のブログです。

2024961

 “荻の葉の そよぐ音こそ 秋風の 人の知らるる 始めなりけれ”
                  紀貫之(拾遺和歌集)

 荻の葉が風にたなびき、そよそよと立てる音こそ秋風が人に気づかれる最初のことであった…。

 初秋とは言っても、今回の台風10号ののろのろ迷走は困ったもので、大型の風、竜巻、豪雨、洪水、地すべりなどにより私たちの日常生活は大変なことを強いられました。天が狂い、地も狂う。史上空前というべきこの現象は、何やら昨今の政治情勢、政局を象徴しているようにも思えてなりません。

 8月14日、岸田文雄首相(自民党総裁)は、9月に予定される総裁選に出馬せず、退陣すると表明しました。自民党派閥の政治資金規正法違反事件を受け「組織の長としての責任を取る」としたものですが、今頃になっての自己責任論とは、不承不承の感は免れません。

 ここで、在任期間およそ3年弱の岸田首相の功罪について考えて見たいと思います。

 まず、功罪の “功” を見てみましょう。

(1) 防衛力の抜本的強化

   ・反撃能力の保有(国家安全保障戦略など3文書を改定)
     安倍政権からの引き次ぎとは言え大きな実績でしょう。
   ・防衛費のGDP比2%への増額を明記

(2) エネルギー政策の大転換

   ・原発の再稼働
   ・次世代原発の開発、建設の検討
   ・東京電力福島第1原発処理水の海洋放出の断行

(3) 外交の成果

   ・日韓関係の改善(慰安婦、徴用工、ホワイト国指定)
   ・ウクライナ訪問
   ・広島サミット(バイデン米大統領らを原爆資料館へ)
     本来なら、世界に広く認知されていない長崎で行うべき。

 次に、功罪の “罪” を見てみましょう。

(1)大幅増税路線を歩んだこと

   ・たばこ増税、所得増税、復興特別所得税の延長、
    給与所得控除の廃止、配偶者控除の廃止、生保控除の廃止、
    退職金の非課税枠を廃止、扶養控除の縮小、法人増税、
    法人税の控除縮小、後期高齢者医療保険の負担増、
    生前贈与の持ち戻し期間延長、教育資金一括贈与廃止、
    結婚/子育て資金の贈与特例廃止、介護保険料負担増、
    国民年金納付期間延長、公的医療保険の上乗せ、
    森林環境税の創設、厚生年金支給減額、
    走行距離課税の新設、ケアプランの有料化

   ※あるは、あるは……、
    財務省のポチ⇒増税メガネ⇒増税クソメガネ⇒増税王
    と、国民から糞味噌に言われたのも肯けます。

(2)LGBT法の拙速な成立

  ・バイデン大統領の原爆資料館訪問のバーターとして、米民主党肝いりの「LGBT法」を党内議論をほとんど行わず強権的に成立させました。ご存知のように、広島は岸田首相の選挙区。これは、私益を国益に優先させたもの。これにより、コア保守層は嫌&反岸田となりました。文化破壊の元凶として罪を問われなければなりません。

(3)移民政策の積極的推進

 ・岸田首相は「外国人は日本の宝」というフレーズを多用し、わが国の人口政策を移民によって解決しようとする姿勢に前のめりです。

 わが国においてつい最近生じた移民の暴動がどんなものか、今一度、振りかえってみましょう。埼玉県川口市で昨年7月、トルコの少数民族クルド人ら約100人が病院周辺に殺到、県警機動隊が出動する騒ぎとなり、救急の受け入れが約5時間半にわたってストップしました。同市では近年、クルド人と地域住民との軋轢が表面化しています。(日本国内の外国人のうち約7万人が不法滞在者!)

 このような状況が各地で多発しているにもかかわらず、政府は、外国人を日本に派遣する会社を支援しようとする『外国人支援コーディネーターの養成の在り方等に関する検討会』を開きました。外国人を日本に派遣する派遣事業者への支援のために、多額の金額を投入することを検討。ところが、何ということか、岸田文雄首相の実の弟である岸田武雄氏は、外国人を日本に派遣する会社「フィールジャパンwith k」の社長なのです。つまり、移民政策を拡大すれば拡大するほど、喜ぶのは岸田武雄氏(弟)というわけです。

 岸田首相の功と罪を見てきましたが、そこに見えるのは、「公」よりも「私」国益よりも私益、一族益ではないでしょうか。折角、外交に手腕を発揮しようとしてはいたのでしょうが、これでは国民の信を得られず、残念ながら、政権は瓦解と相なりました。

 岸田首相は、就任時、誰よりも「聞く力」「聞く耳」を持っていると豪語していましたが、今は跡形もありません。

 考えても見てほしい。もしも、岸田首相が国民の声を聞く力を持っていたならば、政治資金の裏金処理で安倍、二階派議員ら39人を処分しながら、自らを処分の対象外にしたことなどは、無責任の極みと言わねばなりません。それを、今頃になって、総裁選に不出馬することで責任を取ったことにするとは、その責任感の鈍感さにあきれ果てる次第です。

 自民党総裁選の結果がどうなるか、興味津々です。国家観、歴史観の確りした方が新総裁に選出されることを望みたいと思います。

 皆さんはどのようにお考えでしょうか。

次回は
時事エッセ-
です。

 

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